原油価格急落を受けてOPECは分裂の危機

「フラジャイル・ファイブ」の反乱が招く原油市場のカオス化

2015.08.28(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44636
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英・イラン、双方の大使館再開 4年ぶり、核合意受け

OPEC第2位の原油生産国であるイランはOPECの減産を望んでいるという。イランの首都テヘランで開いた合同記者会見で握手するフィリップ・ハモンド英外相(左)とイランのモハマドジャバド・ザリフ外相(2015年8月23日撮影)。(c)AFP/BEHROUZ MEHRI〔AFPBB News

中国の「ブラックマンデー」で世界の株式市場が揺れている。ブラックマンデーとは1987年10月19日に米国で起こった史上最大規模の世界的な株価大暴落のことを指す。当時のダウ30種平均の下落率は22.6%だった。

 中国政府の関係者からは「人民元は2016年末までに1ドル=8元に下落する」との声が出てきており(8月25日付ブルームバーグ)、「アジア通貨危機が再び起きるのでないか」との懸念が高まっている。アジア通貨危機の発端は1994年の人民元の急激な切り下げだった。

 サマーズ元米財務長官は8月24日、ブルームバーグとのインタビューで1997年のアジア通貨危機や2007年のサブプライム住宅ローン危機を例に出し、「我々は非常に深刻な状況の初期段階にいる可能性がある」と指摘した。

生産目標据え置きのOPEC、歯止めがかからない原油安

 混乱する金融市場の影響を受けて、24日の米WTI原油先物は一時6.7%安の1バレル=37.75ドル、北海ブレント原油先物は一時6.5%安の同42.51ドルと急落した。ブレント価格は既にリーマン・ショック直後の最安値と同水準にまで下がっている。

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世界平和研究所主任研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2011年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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