今夏下落傾向にあった日本の安倍晋三首相の支持率が崖っぷちで踏みとどまった。政権発足初期の2013年4月に74%(読売新聞)まで上昇した安倍政権の支持率は、今年7月に50%を割り、それ以降も下がり続けて今では30%台をうろうろしている。そして先月、衆議院で集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案が可決した後、支持率は急降下した。ところが、今月14日に安倍首相が発表した「終戦70年談話」が新たな局面を生み出している。
朝日新聞が25日に報じた世論調査結果によると、談話内容を「評価する」という回答は40%で、「評価しない」の31%を上回ったという。1週間前に実施された共同通信と読売新聞の調査も同様の数値だった。特に注目すべき部分は、この談話の中でも、戦争に関わりのない世代の子どもたちに「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」という部分に対する評価だ。「共感する」が63%に及び、「共感しない」の21%の3倍に達した。日本が先の大戦での行いに「痛切な反省と心からのおわび」を繰り返し表明してきたことに触れて、「歴代内閣の立場は、今後も揺るぎない」と表明したことなど、安倍談話の主要な文言にも「適切だった」という回答が54%で、「適切ではなかった」の20%を大きく上回った。談話全般に対しては「評価する」が40%と、「評価しない」の31%より多かった。
安倍談話に対して日本人の間に共感が広がっていることから、支持率も下げ止まっている。25日の朝日新聞調査で、安倍内閣を「支持する」という回答は38%、「支持しない」という回答は41%だった。先月18・19日の朝日新聞調査と比較すると「支持」は前回37%だったため大差ないが、「支持しない」は前回の46%から5ポイント下がった。
しかし、安倍政権最大の勝負所である安全保障関連法案に対して世論はまだ否定的だ。今回の調査は南北の軍事対立が最高潮に達していた先週末の22・23日に実施されたが、安全保障関連法案に「反対」(51%)という回答が「賛成」(30%)の2倍近く多かった。現在参議院で審議されている安全保障関連法案は「日本と密接な関係にある他国に武力攻撃が発生したとき」集団的自衛権の発動を可能にするものだ。今回の定期国会で安全保障関連法案を成立させる必要性についても「今の国会で成立させる必要はない」(65%)が「必要がある」(20%)を上回った。