南北協議:金正恩氏、強硬手段に出て軟化するスタイル

南北協議:金正恩氏、強硬手段に出て軟化するスタイル

今回の交渉で見せた姿勢、2年前の開城工団閉鎖のときと同じ

 韓国と北朝鮮は、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)第1書記がそれぞれ政権の座に就いて以降、2度にわたり激しい対決を繰り広げた。2013年5月、北朝鮮が開城工業団地を閉鎖したとき件と、今回の地雷による挑発だ。これらの過程では、ベールに包まれていた金第1書記のリーダーシップやスタイルが表面化したと評する声が出ている。

 金第1書記は2年前、発足から1カ月もたっていなかった朴槿恵政権に対し、一方的に「開城工団の閉鎖」という強硬手段に出た。韓国政府が開城工団の関係者を撤収させ、物資まで引き揚げると、金第1書記は先に交渉を求め、開城工団を現状通りに復旧することで合意した。挑発によってより大きな譲歩を引き出そうとし、完全に行き詰まる恐れが出てくると1歩引くというわけだ。

 金第1書記は今回も、木箱地雷(木製の箱型の対人地雷)による挑発に始まり、韓国側の施設への砲撃、最後通告、準戦時体制の宣言と、挑発のレベルを段階的に引き上げた。だが、韓国政府がこれに強硬な対応を取ると、矛を収めた。

 金第1書記を協議の場に引きずり出したのも、北朝鮮向け宣伝放送の再開という韓国側の強硬手段の賜物だった。韓国政府がさまざまな協議を提案しても重い腰を上げなかった金第1書記が、自らを冒とくする行為には即座に反応したというわけだ。ある政策研究所の関係者は「金第1書記のスタイルを見ると、最初は強硬な姿勢を見せるが、長期戦になるにつれ、軟化していくスタイルだ。故・金正日(キム・ジョンイル)総書記は挑発と交渉の時期を十分に把握して動いていたが、金第1書記は父親の『瀬戸際戦術』を十分に学んでいないようだ」と語った。

 これにより、金第1書記は朴大統領との2度にわたる真剣勝負で、これといった成果を得られなかったと評する声が出ている。対外的なリーダーシップにも少なくない打撃を与えかねない状況だ。韓国政府はこれまで、北朝鮮の挑発→補償→協議→再度の挑発という悪循環を断ち切ろうという意思が強いため、今後も「金正恩式挑発」が通用する可能性は高くないとみられる。

キム・ミョンソン記者
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