ウォン、対円で10カ月ぶりに100円=1000円

 中国を震源とする世界的な金融不安で、ウォンの対円為替レートが10カ月ぶりに100円=1000ウォンの大台を超え、ウォン安が進んだ。

 25日のウォン・円相場は取引時間中に一時1010ウォンを割るウォン安水準となったが、午後3時現在で1004.54ウォンを付けた。ウォンが対円で1000ウォンまで反落するのは昨年10月以来となる。

 急激なウォン安は一時的なドル安が一因だ。中国発の金融不安で米国の利上げが先送りされるとの見方が優勢となり、ドルは円、ユーロなど主要通貨に対し値を下げた。主要通貨に対するドルの価値を示すドルインデックスは直近1カ月で3.3%下落した。一方、金融市場不安の結果、安全資産とされる円の需要が高まり、今月初めに1ドル=125円に迫った円・ドル相場は119円台まで円高が進んだ。こうした中、新興国通貨に属するウォンが下落し、ウォン・円相場は2カ月で14%もウォン安が進んだ。

 これまで円安による輸出競争力低下に苦しんできた韓国企業にとって、ウォン安円高は喜ばしい傾向だ。このため、ウォン安で恩恵を受ける自動車関連株は一斉に買われた。しかし、最近のウォン安は中国の景気低迷懸念が大きく作用したもので、必ずしも喜ばしいとは言えないとの慎重論もある。

 韓国外換銀行のソ・ジョンフン研究委員は「輸出、貿易という面で、韓国にとって最大の貿易パートナーである中国の景気低迷は、対日貿易で得た利益を中国で全て失うことを意味する。円高によるプラス効果を打ち消して余りある悪材料だ」と述べた。

 アジア新興国の為替相場が大きく変動していることも不安要因だ。マレーシアリンギ、インドネシアルピアが先週それぞれ4.5%、1.9%下落したほか、タイバーツも金融危機直後の2009年の水準まで下落した。トルコリラ、南アフリカランドも過去1週間にそれぞれ3%、4%下落し、過去最安値を付けている状況だ。

キム・シンヨン記者
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