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中国重視、鮮明に=朴大統領の軍事パレード出席―韓国

時事通信 8月27日(木)18時50分配信

 【ソウル時事】韓国の朴槿恵大統領は、北京で9月3日に開かれる抗日戦争勝利70年記念式典の軍事パレードに出席することを決め、中国を重視する姿勢を鮮明にした。
 日米や欧州の首脳が出席を見送る中、中国の呼び掛けに応え、「恩を売る方が得策」と判断したもようだ。
 朴大統領の行事出席については、日米韓の連携が乱れることを懸念する米国が難色を示していた。韓国政府内では、米国に配慮し、軍事パレードの出席は避けるべきだという慎重論もあった。
 しかし、朴政権は、中国との関係を強化したことを外交の成果としてきた。熟慮の結果、「どうせ訪中するなら、軍事パレードにも出席し、中国に徹底的に配慮すべきだ」(外交筋)との判断に落ち着いた。「軍事パレードだけ欠席すれば、むしろ中国の心証を害する」(消息筋)という見方もあった。
 韓国には、軍事パレード参列によって、中国に「貸し」をつくる狙いもあった。韓国は議長国として、日中韓首脳会談の開催を目指しているが、中国が慎重なため実現していない。朴大統領は、習近平国家主席と直接会い、日中韓会談開催の確約を得たいとみられる。
 また、習主席との首脳会談で、朴大統領は中国が北朝鮮の金正恩体制に圧力をかけるよう促す見通しだ。大統領府報道官は軍事パレード出席を発表した際、「中国が朝鮮半島の平和と統一に寄与することを願う」と強調した。
 北朝鮮は今回の行事に崔竜海労働党書記を派遣する。5月にロシアが開いた対ドイツ戦勝記念行事には、対外的な国家元首である金永南最高人民会議常任委員長が出席しており、冷え込んだ中朝関係を反映しているとの見方が少なくない。朴大統領は、中韓「蜜月」をアピールし、中朝関係の悪化を際立たせたい思惑もありそうだ。 

最終更新:8月27日(木)18時55分

時事通信