【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮は高官協議での合意に従い25日正午から、韓国は拡声器を使った北朝鮮向け宣伝放送を中止し、北朝鮮は「準戦時状態」を解除した。
韓国軍関係者は同日「北はきょう正午、全軍に下した準戦時状態命令を解除した」と明らかにした。また、韓国軍も同時刻に前線地域での対北朝鮮拡声器放送を全面的に中止したと伝えた。
北朝鮮の準戦時状態は20日に朝鮮労働党中央軍事委員会の非常拡大会議で宣布を決定してから5日で解除され、韓国の拡声器放送は10日に再開されてから15日で中止された。
これにより、軍事的な衝突の可能性が高まった朝鮮半島の安保状況が危機を脱した。
北朝鮮軍が埋めた地雷で韓国軍兵士が重傷を負った事件への報復として、韓国軍は11年ぶりに宣伝放送を再開した。北朝鮮はこれに強く反発し、20日に韓国に向け砲撃し、準戦時状態を宣言するなど南北の緊張が高まっていた。
韓国軍は高官協議が妥結した25日未明に続き午前にも宣伝放送を行った。
北朝鮮軍は準戦時状態を宣布して以降、最前線地域に拡声器への攻撃を行える砲兵戦力を通常の2倍以上に増強し、特殊部隊要員やこれを指揮する総政治局所属の政治指導員を前線部隊に派遣した。
また、北朝鮮軍は保有する77隻の潜水艦(艇)のうち、7割にあたる約50隻を東海と黄海の基地から離脱させ、韓国軍や米軍の探知装備では識別できなくなっていた。現在は離脱した潜水艦の一部が基地に戻ったとされる。
韓国軍は20日に発令した「最高警戒態勢」を25日正午まで維持した。
国防部の金珉ソク(キム・ミンソク)報道官は「北も現在、準戦時状態に合わせ配備した軍事力を解除するのに時間がかかっているため、韓国軍も北の軍の動きを踏まえ警戒態勢を段階的に引き下げていく」と明らかにした。
韓米は現在行われている定例合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)と「統合火力撃滅訓練」を計画通り続ける方針だ。
両演習は28日に終了する予定。
一方、同部の韓民求(ハン・ミング)長官は25日午前、全軍緊急指揮官会議を開いたのに続き、同部と合同参謀本部の幹部らが出席する危機管理委員会を開き南北高官協議後の措置をめぐり議論した。