アメリカ国民的画家
アンドリュー・ワイエスの父であり、あの
ウォルト・ディズニーも敬愛したイラストレーター、
N.C.ワイエス(Newell Convers Wyeth)
ディズニーは壁にぶつかる度に彼の作品を手にとったという
20世紀初頭のアメリカイラストレーション黄金時代において、
「ロビンフッドの愉快な冒険」や
「カリブ海の海賊」の著述とイラストを手掛けた
ハワード・パイルの一番弟子であり、
「宝島」や「トム・ソーヤ」などの挿絵を手がけ、全ての年代の子供達にその作品に登場するキャラクター達のイメージ像を確立させた
彼の先祖は1645年にイギリスからやってきた石工ニコラス・ワイエスで、フレンチ・インディアン戦争で活躍。このような豊かな家系の歴史が口伝により伝えられワイエスの感性は磨かれた。また幼少期から母親によりヘンリー・デビッド・ソロー、ヘンリー・ワズワース・ロングフェローなどを読み聞かせられており、文学と芸術への関心は母親によるものだったようだ
そんな母親の勧めでアートの道を歩むことになったワイエスは、わずか12歳で水彩画の才能を発揮。その後、マサチューセッツ芸術大学へ進学しイラストレーションを学びはじめる
1903年、20歳ではじめて手掛けた「The Sturday Evening Post」のイラストで評価され一躍有名になると、スコット・フィッツジェラルドやヘミングウェイなどの出版で有名だったチャールズ・スクリブナーズ・サンズ社での仕事もこなした。その後ワイエスはコカ・コーラやラッキーストライクなどの広告も手掛けるようになっていった
しかし彼は、イラストレーション業を家族を助けるための経済的な手段としてみなしており、本当にやりたかったことは絵画であった。そのため晩年はイラストレーターとしての仕事を減らし、イーゼルの前に立ち風景画を描くのに多くの時間をかけたという
1945年、アメリカの名門ボウディン大学より名誉博士号を受けるが、その半年後、孫と一緒に乗っていた電車が貨物列車に轢かれ62歳でこの世を去った。彼は生涯で約3000点の絵画と112冊の挿絵を残している