新規事業は何をやるべき?既存事業を「5W2H」で定義がベスト

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2015.08.27

suzie.20150827

『はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ』(石川 明著、U-CAN)の著者は、総合情報サイト「All About」を社内起業した経験を持つ人物。

本書ではそんな経験をもとに、社内で新規事業を立ち上げることの重要性を説いているわけです。

たしかに社内での新規事業立ち上げには、資金面でも人材面でも信用という側面においても、独立起業にはない安心感があります。

ただし問題は、新規事業の検討領域が指定されていない場合、どこから手をつけたらよいのかわからないということではないでしょうか?

■まず既存事業を起点にして考える

その点について著者は、「新規事業の場合のベストな方法は、既存事業を起点にして考えること」だと主張しています。

そしてそのうえで、既存事業とはどんな事業なのかを改めて定義してみる。そうすることで、新規事業と既存事業の違いも明確化できるといいます。

なお以後の仕方はいろいろありますが、著者の場合は「5W2H」の枠組みを使って定義しているのだとか。

■既存事業は“5W2H”で定義する

[1]Who:誰に(購買者)・誰が(利用者)・誰と(取引先、協業先)

[2]What:なにを(売る製品・サービス、販売名目、製品属性) なんで(材料)

[3]Where:どこで(エリア、販路、売り場、業界、領域、◯◯市場)

[4]When:いつ(需要期、売れる時期、使う時間) どの段階(バリューチェーン)

[1]How:どうやって(販売方法、製造方法、仕入れ方法、デリバリー方法) どんな(業態、ビジネスモデル、協業方法)

[2]How Much:いくらで(価格) どうやって(課金方法、料金体系、費用名目)

[5]Why:なぜ(顧客が買う理由、顧客に提供する勝ち、競争優位の武器)

これらを参考にして、既存事業を定義するということ。

■事業の特性に合わせて解釈する

ただし、7つの軸すべてを使って定義づけする必要はないそうです。各軸の中身をどのようなものにするかも含め、自社の事業の特性に合わせて解釈するということ。

なお、自社にとっては当然のことが、同業他社とくらべると特徴的なこともあるので、ひとつひとつていねいに各項目を見ることが大切だといいます。

そして既存事業の定義づけができたら、7つの軸の各項目をひとつずつ見て、それらの項目を「仮に変えてみたらどうなるか?」と考えてみる。

・Where(どこで):現時点では国内のみの販路を「海外」に広げたら?

・Who(誰に):女性だけを対象にしていた店舗を「男性」向けに開発したら?

など、ベクトルを変えて考えてみるということ。こうした作業を繰り返すことで、さまざまなビジネスアイデアを出すことができるというわけです。

当然ながら、ここでご紹介したのはほんの一部。全体をじっくり読み込んでいけば、さらに緻密な事業計画を確立し、社内企業を成功させることができるようになるかもしれません。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※石川明(2015)『はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ』U-CAN

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