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 中国の国営新華社通信は25日、「だれが日本の侵略戦争の罪を謝罪すべきか」との評論を配信し、「昭和天皇は亡くなるまで被害国とその国民に謝罪を表明したことはなく、その皇位継承者は謝罪で雪解けを、悔いることで信頼を手に入れなければならない」などと主張した。

 同評論について、中国外務省は27日、朝日新聞が「この評論が共産党や中国政府の立場を示すものなのか」と質問したのに対し「メディアが報道した観点について、我々は評論する立場にない」と述べるにとどめた。(北京)

■日本政府は抗議

 政府は27日、新華社通信の論評を受け、外務省局長と在北京大使館の公使がそれぞれ中国側に電話で抗議した。

 天皇陛下への謝罪要求は新華社が25日に配信し、中国紙・光明日報が26日付で掲載した。

 外務省幹部は「国営の通信社が配信したことと、あまりに問題が大きい内容であることを考慮し抗議した」と説明した。中国側は「関連部署に報告する」と応じたという。日本政府は同日、中国海軍が、尖閣諸島を背景に領土防衛を呼びかける兵員募集の動画を作成したことも抗議した。(松井望美)