映画『ジュラシック・ワールド』のイラスト
『ジュラシック・ワールド』
Jurassic World
2015年/アメリカ/125分
監督:コリン・トレヴォロウ
出演:クリス・プラット/ブライス・ダラス・ハワード/ニック・ロビンソン/タイ・シンプキンス/イルファン・カーン/ヴィンセント・ドノフリオ

スポンサーリンク

適当な解説とあらすじ

まったく懲りない恐竜テーマパークがしつこく4度目の不祥事を巻き起こすパニック・アクション・シリーズ第4作です。監督は大抜擢となったほぼ新人のコリン・トレヴォロウ。主演は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラット。共演に『ヴィレッジ』のブライス・ダラス・ハワード、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のイルファン・カーン、『ラン・オールナイト』のヴィンセント・ドノフリオなどです。

予告編動画


勝手な感想と評価/ネタバレ多少

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』に続き、2日連続のレイトショーにて鑑賞してまいりました。ネットや知人の評価は上々でしたので、実はあまり好きなシリーズではないもののブログのネタに観ておこうかと、軽い気持ちでチャリで5分の東宝シネマズへとキコキコ馳せ参じたしだいであります。

過去に多くの犠牲者を出した“ジュラシック・パーク”の完成形、“ジュラシック・ワールド”は連日多くの観光客で賑わっていた。次なる目玉として遺伝子操作によって生み出された新種のハイブリッド恐竜“インドミナス・レックス”を準備していたものの、その知能と能力は人間の想像をはるかに超え、パークはふたたび地獄の狩り場へと変貌するのであった!

すでに多くの方が指摘されているとおり、「何回同じ失敗を繰り返したら気が済むねん!」というストーリーですが、その手の失敗を繰り返すバカがいなければこういうシリーズの存続はなく、かくいうボク自身もこの脚本の杜撰さには大きな不満と落胆をかかえた怒れる観客のひとりではあるものの、これもまた世の常人の常として片目をつぶって微笑んでやろうと、なるわけないのがこれまた世の常人の常。

というわけで、バカな人間がバカなミスによってバカな大惨事を引き起こすという、基本的にバカな映画でありまして、「これはアトラクション映画なのだからこれでいいのだ!」とバカボンパパ風に説得されたところで「うん!」とはならず、中盤までのボクの落胆は落ちるとこまで落ちるのかと思いきや、ギリギリですくい上げてくれたのはほかならぬたわわに実った果実だったのであります。

たわわの正体はすでに本作をご覧になられた方ならおわかりでしょう。この映画の主役のひとり、というか真の主役ともいえるブライス・ダラス・ハワード演じるクレアおばさんであります。名匠ロン・ハワード監督の娘であり、M・ナイト・シャマランの『ヴィレッジ』『レディ・イン・ザ・ウォーター』の主役を務めたものの、その後はいまいちパッとせず、見るたびに印象が変わって覚えられない女優のひとりでありました。

本作にしてもそうでありまして、「あれ?こんな顔だったけ?」という違和感をいだきつつ、最後に化粧がはがれ落ちたアップによってようやく「そうそう!ブライス・ダラス・ハワードってこんな顔!」と認識したしだいであります。そんなどこか中途半端な女優だった彼女が、映画の展開とともにどんどん薄着になっていき、たわわに実ったお乳を揺らし、ハイヒールで泥だらけになりながらジャングルを疾走する。これがボクを救ってくれた!

これだけではフェミニストから『懲戒の部屋』よろしくの吊し上げ拷問の末の懲罰を喰らってしまいますので、慌てて補足いたしますと、やはりこのクレアというパワフルな女性のキャラクター、そして人間としての成長を描いたドラマが魅力的なわけでありまして、けっしておっぱいが魅力的なわけではなく、男と同等に活躍、行動、成長する現代的ヒロイン像が魅力的だったわけであります。おっぱいはおっぱいであっておっぱい以上ではありません!

ひととおりの弁解が済みましたところで、この映画のもうひとつの主役である恐竜についての感想を述べさせていただきます。CG技術が発展した昨今、いまやリアルな恐竜が画面に登場した程度ではなんらの感動も興奮も生み出さなくなっており、求められているのはやはり見せ方のセンスなわけであります。

この映画にそのセンスが備わっていたかといったら残念ながら否で、映画の冒頭、パークの全貌を見せていくシーンのヘタクソさには正直愕然としてしまいました。まったくもってワクワク感がないのですよね。単調な空撮によって映し出されたこのパークに、「ぜひとも行ってみたい!」という興奮がかけらもわき上がってこないのです。撮り方の問題もあるでしょうが、最大の問題はデザインでしょう。ホントにただのデカい動物園です。

その後もまったく浮上のきざしは見られず、クレアおばさんの存在以外にはまったく惹かれる部分がなかったこの映画ではありますけど、中盤の解き放たれた翼竜たち、後半への転換点となるラプトル出撃をきっかけとし、映画の盛り上がりはいっきに加速するのです。このへんで主要キャラクターがようやく一堂に会したことにより、ドラマ的な加速もそれを援護しております。

その流れのなかで突入する興奮のるつぼと化した圧巻のクライマックス!はたして見せ方のセンスがあったかどうかはとりあえず置いといて、この展開には素直に燃えてしまいました!ネタバレになるので多くは語りませんが、終わりよければすべてよし!「アトラクション映画だからこれでいいのだ!」というバカボンパパは正しかったのであります。欲をいえばもうちょっとちゃんと伏線を……というのはもうやめときましょう。

1作目の『ジュラシック・パーク』に対するオマージュ精神を全開にした、莫大な予算をかけたファンムービーとも形容できる本作。それゆえのあのクライマックス。この画だけは最高にカッコよかったラストカット。『ジュラシック・パーク』とスピルバーグへの愛があふれた本作ではありますが、実は自分はスピルバーグも『ジュラシック・パーク』も好きではありません。それがこの映画を心から楽しめるかどうかの分岐点なのかもしれませんね。

というわけで、基本的にはあまり出来がいいとは言えない映画ではありますが、あの興奮のクライマックスを観るだけでも十分に価値はありますよね。あとクレアおばさんのお乳。これでノーブラだったらなお……ってあ!やめて!“腎虚刑”だけは勘弁して!筒井せんせぇええぇぇえぇーーーーーー!!!

個人的評価:5/10点



「たわわ」の元ネタとなったすばらしい記事はこちら
関連記事
スポンサーリンク