安全保障関連法案に反対する全国の87大学の学者が26日、東京・永田町の国会近くで記者会見し、「若者の未来のために絶対に引き下がらない」などと同法案の成立阻止を訴えた。

 1万3千人以上の学者が賛同する「安全保障関連法案に反対する学者の会」の主催。同会によると大学単位で法案に反対する会をつくる動きが広がっており、100以上の大学で発足している。この日は87大学を代表して約250人が集まり、反対する会の名前を記したのぼりを掲げた。道内からも北大、道教大、北海学園大、札幌学院大の学者が駆けつけた。

 会見では、各地で活発に活動している12大学の代表がマイクを握った。北大の姉崎洋一名誉教授は「民主主義、立憲主義の根幹からの破壊、政権の反知性主義への深い憤りがある」と指摘。「大学が踏みにじられた歴史」として、太平洋戦争開戦当日に北大生の宮沢弘幸さんらが軍機保護法違反容疑で逮捕された「レーン・宮沢事件」を挙げ、繰り返さないよう訴えた。

 参加した北海学園大の本田宏教授は「与党が法案をごり押しするのは民主主義ではない」と安倍晋三首相の政権運営を批判し「安倍政権は集会やデモ、地方議会などの意見を幅広く組み入れた政治を行う必要がある」と強調。道教大函館校の畠山大准教授は「教員を育てることは子供たちの将来に責任を持つ意味がある。安保関連法案という戦争の芽を摘まなければならない」と話した。

 また、札幌学院大の西尾敬義教授は「安倍首相は国会での質問に、戦争は『絶対にない』と繰り返すだけだ。野党は首相答弁の矛盾を突きながら、法案の危険性を浮き彫りにする高い弁論技術が求められる」と野党にも注文。北大の小田博志准教授は「武力で平和は達成できない。平和は銃でなく対話や信頼関係でつくるものだが、安倍首相は友好関係を築く努力を積極的にしていない」と話し、安倍氏の掲げる積極的平和主義に疑問を示した。

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