
香川県内レギュラーガソリン価格の推移

セルフ給油機に掲示されたメール会員募集案内。県内のGSでは割引充実が販売戦略の主流となっている=香川県高松市内
激しい価格競争で「ガソリンが安い県」という印象が強かった香川だが、昨秋から様子が違っている。石油情報センターが発表したレギュラーガソリンの平均小売価格(17日現在)をみると、香川は145円80銭と全国平均を7円60銭上回り、都道府県別で3番目に高くなった。一方、業界からは「全国平均より安く給油できる店も多い」との声も聞こえる。どういうことか。
横ばい傾向に
同センターによると、県内のレギュラー平均小売価格は、2013年ごろまで全国平均を3〜5円下回ることが多く、「安値県」の常連だった。理由は、ガソリンスタンド(GS)が店頭価格を近隣店より1円でも下げて集客することを戦略にしていたためだ。高松市内のGS各社も「せっかく1円下げても、3日もたてば『高い』と言われていた。そんなことの繰り返しだった」と振り返る。
それが、全国平均を上回る「高値県」になったのは昨秋から。直近では全国平均が6週連続で値下がりする中、香川は横ばい傾向が続き、17日現在は、同センターが都道府県別の価格を公表し始めた04年6月以降で、最大の価格差だ。
会員特典拡充
変化の理由は、県内のGSが割引を充実する戦略に切り替えたからで、県内では店頭価格と実際の販売価格が異なる場合が多い。言い換えれば、店頭価格は各種割引を前提とした数字とも言える。
プリペイドカードに2万円以上入金すれば1リットル当たり2円引き、メール会員登録で4円引き、GSで車検を受ければ5円引きで、これらを組み合わせれば11円引き−。こうした仕組みを強化することで、全国平均よりも安い価格で給油できる店も多く、最大限の割引を受けるため、県内では給油するスタンドを固定する顧客が増えた。
背景には、激しい価格競争に各社が疲弊したことに加え、人口減少やハイブリッド車の普及などでパイが縮んでいく中、「安い店頭価格で広く集客を図るよりも、会員特典などを拡充して顧客を囲い込んだ方が経営が安定する」との経営判断がある。「割引で顧客を獲得する」。現在はこうした思惑で各社の足並みがそろった状態という。
各社横にらみ
GS各社は「今後も割引重視で顧客を確保していきたい」とするが、業界内では「長くは続かない」との見方が強い。
割引サービスの浸透を図り、囲い込みに成功したのもつかの間、経営側の狙いを逆手に顧客の中には複数のGSのメール会員になるなど、既に給油先を固定化せず、給油したいタイミングに合わせ、より安いGSを選ぶ人が広がっている。再び店頭価格で低価格を打ち出す店が1店でも出てくれば、県土が狭く、商圏が重なっている香川だけに、途端に激しい価格競争が再開する可能性が高いからだ。
各社の横にらみがいつまで続くかは不透明で、今後の動向が注視される。