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<仙台いじめ自殺>「学校 認識甘かった」

いじめの対応に問題があったとして頭を下げる大越教育長(左端)ら市教委幹部=21日午後4時ごろ、仙台市役所

 昨年秋に仙台市立中1年(当時)の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、市教委の大越裕光教育長ら幹部が21日、市役所で記者会見を開いた。主なやりとりは次の通り。

 −具体的ないじめの内容は。
 「消しゴムのかすをぶつけられたり、『変態』などとからかわれたりしていた。無料通信アプリ『LINE』で男子生徒とアイドルを合成した画像が流されたこともあった」

 −生徒から相談は。
 「担任に対し、保護者から電話で5回、家庭訪問で1回、相談があった。生徒が周囲にからかわれ、泣いていることに担任が気付き、本人に直接聞き取りをしたこともあった」

 −もっと踏み込んだ対応ができなかったのか。
 「担任は、友人同士のからかい程度と思っていた節がある。当時は加害者側の生徒だけを集めた『謝罪の会』や学年集会を開き、いじめられた側の気持ちに立って行動するよう指導をした。事態を深刻に捉えておらず、認識が甘かった」

 −防ぐ手だてはなかったのか。
 「担任1人に任せきりにせず、組織的に対応していればよかった」

 −遺書はなかったのか。
 「見つかっていない。自殺する前日と当日、『学校へ行っても何も変わらない』などと話していた」

 −自殺から1年近くたって公表した理由は。
 「遺族から『公表は控えてほしい』と強く要望されていた。調査のため、加害者側の生徒には自殺したことを伝えたが、それ以外の生徒には伏せていた。遺族から、本人の特定につながる情報を出さないことを条件に、公表して良いとの最終的な許可が20日に下り、21日の発表となった」


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2015年08月22日土曜日

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