GIRLS - “高校野球が大好き”という女性ライターと“野球の「や」の字も知らない”女性イラストレーターが独自の目線で描く、イマドキの高校球児たち

高校野球女子 集まれ~!

高校球児のはやり

2015年6月25日

第3回 「隠れたオシャレ球児!」身の回り編

さて「選手のはやり」最終回の今回は、「身の回り編」です。用具、ユニフォームときて、まだあるの? なんて思った人、いませんか? あるんです! いまどきの球児クンは、オシャレなんです! 
まずは、バック。野球部の定番といえば、エナメルでちょっと横に長い四角いバック。使いやすいように、皮のバックも登場しましたが、この2~3年、リュックが流行しています。
「全国的にみると、自転車通学の選手や、寮からグラウンドまで自転車に乗る選手が多い。そのとき、カバンを斜め掛けにしていたら非常に危険。自転車のカゴに無理にショルダーバックを詰めると、エナメルがひび割れたり、ファスナーを壊す原因になり、修理を依頼されることが多かったんです。でも、リュック型になってからはクレームや修理が少なくなりました」(某スポーツメーカー担当者)
 大会中は、選手の移動中に取材することも。そういえば、自分の荷物以外にも、チームの用具などを両手に持って歩く選手の姿をよく見ました。それも、リュックで両手が空いていると持ちやすいんですね。
写真左から開星、大阪桐蔭、中部商業、沖縄尚学、龍谷大平安、駒大苫小牧。甲子園常連チームも肩掛けバックとリュックは半々といったところでしょうか。(協力・亜細亜大学)
リュックだと、この通り、荷物運びも楽ちんなんですね(写真は昨年撮影のもの)
他にも、試合前の投手が、試合会場に行くまでの間にどちらかの肩に負荷をかけることは良くない、という声も。甲子園では、「試合が終わって通路を歩いて引き上げてくるシーン、よくテレビで見るでしょう。そのとき、肩掛けのバックだと体がどちらかに傾いて疲れてヨタヨタ歩いているように見える。でも、リュックだと両手を振って堂々と歩けて、気持ちよく見えるでしょう」と、言う先生もいらっしゃいました。確かに、試合後のあの通路。リュックだと潔く見えますね。
これまでの肩掛けのバックでも、選手がオシャレにアレンジして使っているところも。今年のセンバツに出場した仙台育英の選手たちのバックは、どれもいろいろなマスコットをぶら下げてにぎやか。両親や友達、彼女、マネージャーさんからもらったお守りなどをつけているバックはよく目にしますが、中でも、たくさんつけている青木玲磨君(仙台育英・外野・3年)に聞いてみました。
「せっかくいただいたので、つけていったらこうなりました。もともと、先輩たちもいろいろつけていたので、こうするのは不思議じゃありませんでした。でも、ここまで自由につけられるのは仙台育英だけかもしれません」
青木君のバックだけじゃなく、他の選手のバックにも思い思いのマスコットが
バックにぶら下がったたくさんのマスコットたち
 このリストバンドは?…と触ってみると、何だかボコボコが…。
「肩掛けのひもを短くして持ちたいので、ショルダー部分を縛って。その縛った部分を、リストバンドで隠しているんです。うちのチームはみんなそうしています」
普通の長さだと、肩掛けにするとバックはちょうど腰の辺り。それをあえて短くして持つのがオシャレなんだとか。選手たちも、それぞれ考えて工夫しているんですね~。
バッグを肩にかけるとこんな感じ。(青木玲磨君)
リストバンドをはずすとこの通り、結び目が。ほどけないようにしっかり結ばれています
 オシャレの最後は、スキンケア! 今年のセンバツで準優勝を果たした東海大四(北海道)のエース、大澤志意也君(東海大四・投手・3年)は、甲子園に日焼け止めと、パックを持参。北国育ちの色白のお肌。日に焼けると赤くなってしまうそうで、春でも大阪の強い日差しは危険! 日焼け止めは必須アイテムなんだそう。お風呂上りはパックでニキビ予防もバッチリ。関東のチームには、「春の日差しですでに真っ黒。これ以上黒くなりたくないから」と日焼け止めを塗る選手も。
写真左は東海大四のエース、大沢志意也君。こんな色白でキレイなお肌だったら、お手入れにも力が入るはず!? 写真右は聖光学院の笠原輝君(三塁・3年)。お風呂上りは必ず化粧水でお肌のお手入れは欠かさない!?
逆に、昨年、健大高崎(群馬)で夏の甲子園出場、通算8盗塁で個人最多盗塁記録を達成した平山敦規選手(現・東海大・外野)は、「下級生の頃、ベンチ入りできずスタンドで応援する時は、みんなでサンオイルを塗って焼いていました! 中途半端に焼けたらカッコ悪いので」なるほど~! 確かに、スタンドで応援する選手は1日中、日差しをいっぱいに浴びているものね。
さらに、ニオイにも敏感! 遠征先で試合が終わりTシャツとハーフパンツに着替えてバスに乗り込む時にはすかさず、制汗スプレーをシューっとひと吹き!
「今は、バスの中はいいニオイがしますよ。昔は汗と土でドロドロになったユニホームのままバスに乗って、かなり臭かったですからね(笑)。まぁ、衛生上、バスも汚れないし。着替えるのはいいことですけどね」(某チームの先生)
 八戸学院光星(青森)では、スプレーのボトルを買ってきて、お気に入りの柔軟剤を入れ水で薄め、自分だけの消臭スプレーを作り、すぐにユニホームに吹きつけるのが、はやっていたとか。
 寮訪問の回で紹介したように、ユニホームの洗濯の際には柔軟剤は欠かさず、部屋もいいニオイで、「球児は汗クサくない!」というのは、寮を離れた場所でも同じ。身だしなみには気をつかう・・・。どこから見ても“かっこいい球児”が“今ドキ”なのかもしれません。
「野球一筋!」に打ち込む球児クンたち…なんていうのはひと昔前? 厳しい練習の毎日の中、自分たちで楽しみを見つけ、そして大好きな野球に没頭する。今ドキ高校球児は、オシャレでカッコイイ!

※NHKサイトを離れます