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<仙台いじめ自殺>学校「彼は転校」と虚偽説明か

 仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=が昨年秋、いじめを苦に自殺した問題で、男子生徒が通っていた中学校が当時、クラスメートらに「彼は転校した」と虚偽の説明をしていた疑いがあることが22日、学校関係者への取材で分かった。市教委は21日の記者会見で、遺族の意向を理由に「子どもたちにどう対応したかは言えない」と明言を避けていた。

 関係者によると、男子生徒の担任だった40代の女性教諭が昨年秋以降、クラスメートに「彼は家の都合で県外に引っ越した」などと説明。学校側による在校生や保護者への説明も一切なかった。いじめに加わった生徒11人に対しては「実態調査」を理由に自殺の事実を伝えていたという。
 市教委は21日の記者会見で、男子生徒が死亡した後の学校の対応について「遺族のお気持ちに寄り添いたい。それを明かせば男子生徒が特定される」などとして回答を拒んでいた。
 子どもが同じ学校に通う保護者によると、男子生徒は昨年夏ごろから休みがちだったという。自殺を図ったとみられる昨年9月下旬、生徒の自宅前に救急車が止まっているのを複数の住民が目撃。一部住民の間では、当時から生徒家族の急な転居をいぶかしがる声が上がっていたという。
 自殺した生徒が通っていた中学校の関係者は21日夜、河北新報社の取材に「(いじめ自殺があったというニュースに)私たちも驚いている。市教委の指示もあり、自殺があったかどうかを含め、何も答えられない」などと語った。
 市教委によると、男子生徒は自殺を図った数日後に病院で死亡。遺書はなかった。いじめは昨年5月以降、同学年の男子生徒11人から受けており、見下すような言動でからかわれたり、仲間外れにされたりしていたという。この間、保護者は学校に6回にわたって相談。校長が全容を把握できずに組織的な対応が遅れ、市教委は「学校から連絡がなく、十分な連携が取れなかった」と釈明している。


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2015年08月23日日曜日

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