福井県は25日、えちぜん鉄道(えち鉄、福井市)の福井駅付近について、北陸新幹線の高架を利用した仮線運行を9月27日から始めると発表した。えち鉄が現在走っている敷地に高架を整備するための措置で、地域の鉄道が新幹線の高架を間借りする全国初の事例となるという。
すでに完成済みの新幹線高架のうち800メートルを使う。えち鉄の福井、新福井の2駅は高架になる。今後整備する高架は2018年に開催される福井国体の前までに完成予定で、現時点で仮線で運行する期間は3年程度になる見通しだ。
与党は北陸新幹線の福井先行開業を検討中で、この影響でえち鉄の高架の完成も前倒しになる可能性がある。同社は「将来、新幹線が走るところが仮線になるのは話題性があり、鉄道ファンにも利用してほしい」としている。
福井駅付近の連続立体交差事業は県が進めている。えち鉄が仮線に切り替わる時点で踏切2カ所が撤去され、高架下を通る新たな道路整備も可能になる。
同社は三国芦原線の福井市内の福井口と西別院の間に新駅「まつもと町屋」を9月27日に開業する。近隣に住宅が多く、年3万人以上の利用客が見込めるという。
えちぜん鉄道、新幹線高架