2015.8.14 21:00〜22:54 日本映画字幕本編ノーカット
火垂るの墓
巨匠・高畑勲監督のスタジオジブリ作品も
年代順に一挙紹介!
8月は、「3週連続 夏はジブリ」と題して、「かぐや姫の物語」で米アカデミー賞にもノミネートされた、巨匠・高畑勲監督の名作を3週連続で放送。終戦の日前夜に放送する第1弾は、幼い兄妹の一瞬の命の輝きを描く感動作だ。原作は、神戸の大空襲を体験した野坂昭如氏による直木賞受賞作。父が出征中に空襲で母を亡くした14歳の少年・清太が、4歳の妹と共に“生きよう”とした姿をリアルに、ファンタジックに描き出していく。罪のない子どもや病気の母たちを容赦なく炎に飲み込んでいく空襲。周囲の人々に頼ることができない幼い清太と、優しさを見せる余裕のない大人たち。戦争の愚かさと哀しさを、高畑勲監督は切々と訴えかけていく。戦後70年を迎えるこの夏にこそ目をそらすことなく見つめたい命の物語だ。
昭和20年9月21日夜、ぼくは死んだ…。神戸三宮駅構内で、清太(辰巳努)は息を引き取った。所持品はドロップの缶だけ。死体を掃除していた駅員がその缶を放り投げると、中から小さな遺骨がこぼれ落ち、草むらに季節外れの蛍が舞い上がった。
3ヵ月前の6月9日、神戸は大空襲に襲われた。清太は心臓の悪い母(志乃原良子)を先に避難させ、幼い妹の節子(白石綾乃)を連れて後を追おうとするが、行く手を炎に遮られてしまう。炎が収まるのを待って、避難所の学校へと向かう清太。しかしそこには、変わり果てた姿になった母が…。母はそのまま息を引き取り、清太は節子と共に、西宮の親戚の家へ。叔母(山口朱美)は2人を歓迎し受け入れたように見えたが、次第に清太たちに厳しい言葉を投げつけるようになる。毎日小言を言われ、ご飯も満足に食べさせてもらえない叔母との生活に耐えきれなくなった清太は、叔母の家を出ることを決意。家から布団などを運びだし、節子と2人で池のほとりの横穴で暮らすことにする。
好きな時に好きなだけ食べられるご飯。はしゃいでいても誰からもとがめられることはない。お風呂も電気もないけれど、夜になったら蛍が灯りの代わりをしてくれる。自由な生活を手に入れ喜ぶ節子の姿に、ひと安心する清太。しかし、そんな生活は長くは続かなかった。食料はあっという間に底をつき、栄養失調になった節子のために清太は空襲の中を走り出していく…。
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