[クラウド分解辞典−Amazon Web Services編]
【第5回】用途に合わせてデータベースを選択−Amazon RDS、ElastiCache、DynamoDB、Redshift
2015年8月26日(水)佐々木 大輔(クラスメソッド 札幌オフィスエリアマネージャ/AWS コンサルティング部シニアソリューションアーキテクト)
第4回では、AWS(Amazon Web Services)のデータストレージサービスを紹介した。Webベースの「Amazon S3」、データアーカイブに適した「Amazon Glacier」、オンプレミス環境のサーバーやEC2とシームレスに接続する「AWS Storage Gateway」、そして最新サービスの「Amazon Elastic File System」である。今回は、AWSが提供する各種データベース関連サービスを紹介する。
情報システムにおいて、データ管理はとても重要だ。インターネットの急激な普及に伴い、情報システムが抱えるデータ量は爆発的に増加しており、その効率的な管理と利用は大きな課題になっている。例えば、小売業者が運営するECサイトであれば、顧客情報や、購入履歴、在庫情報、リアル店舗情報、広報情報からブログ記事に至るまで、管理しなくてはならない情報は多岐に渡る。
データをきちんと管理できれば、その活用が可能になる。小売業の例でいえば、顧客ごとの検索履歴を管理することで顧客のニーズを把握し、そのニーズに合わせたセールを企画するといった施策を打つといったことが可能になる。
情報システムのデータ管理では、データベースを利用することが一般的だ。しかし、データベースの運用には多大な労力がかかる。データベースを構成するサーバーのOSに対しての運用保守も必要だし、パフォーマンスが不足した場合にはハードウェアの増強を検討しなくてはならない。データ量の増加によってストレージ領域が不足すれば、ストレージを追加する。可用性やディザスタリカバリー対策の要件を満たす設計には、熟練の技術者が不可欠である。
AWS(Amazon Web Services)では、データベースとその関連サービスを、フルマネージド型サービスとして提供される。フルマネージド型とは、サービスとしての機能のみを提供するものだ。ハードウェアの購入や管理が不要で、リソース不足が発生しても簡単な操作でスケールアップできる。OSのアップデートやユーザー管理など、サーバーに関わる運用も不要である。
またバックアップやレプリケーションなど、手間のかかるデータベース管理タスクに手を煩わされることがなくなる。可用性を高めディザスタリカバリーのニーズに応えるのも簡単だ。フルマネージド型サービスを活用すれば、運用コストを軽減し、システム開発やビジネスに集中的に取り組める。
AWSが提供するフルマネージドなデータベース関連サービスには、(1)リレーショナルデータベースである「Amazon RDS」、(2)インメモリーキャッシュ型のキーバリューストアである「Amazon ElastiCache」、(3)NoSQLデータベースである「Amazon DynamoDB」、(4)データウェアハウスの「Amazon Redshift」がある(図1)。以下、それぞれのサービスを紹介していく。
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- 【第4回】ストレージサービスはデータタイプに応じて使い分ける−Amazon S3、Glacier、Storage Gateway、Elastic File System(2015/07/22)
- 【第3回】Elastic(伸縮性)な仮想サーバー−Amazon EC2とElastic Load Balancing(2015/06/24)
- 【第2回】AWSの利用にはネットワークサービスが不可欠−Amazon VPCとAWS Direct Connect(2015/05/27)
- 【第1回】AWSをより良く知るための基礎知識(2015/04/22)