なぜこんなに時間がかかったのか
今月14日、九州電力・川内原子力発電所1号機(鹿児島県)が発電を再開した(☆1)。 今月下旬からフル出力に入り、来月上旬に本格的に営業運転が始まる。日本国内の原発が発電を再開したのは、2013年9月に関西電力・大飯原発4号機(福井県)が稼働を停止して以来、約2年ぶりのこと。
☆1)http://www.kyuden.co.jp/notice_150814.html
川内1号機は、2011年5月に停止したので、約4年ぶりの発電再開となる。また、川内2号機は、10月中旬の発電再開を予定している。
それにしても、発電再開までにこれほど多大な時間を要したのは何故なのだろうかと、今、改めて考えてみる。多くのマスコミが囃し立ててきた“原発ゼロ”という言葉。2011年3月の東日本大震災による東京電力・福島第一原発の事故を契機として、日本では“政治的な原発ゼロ”に陥った。
これにより、原発を代替するための化石燃料焚き増しに要した追加コストは、2011〜14年度で約12.7兆円。莫大な国富が流出したとの政府試算がある(☆2)。☆2)http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/denkijigyou/genshiryoku/pdf/009_s01_00.pdf
このような国富流出の原因も含め、日本の原発停止が半ば強制的に継続されているのは、日本の原子力規制行政が正常に機能していないためだと私は考えている。
先の拙稿『「再稼働トップバッター」川内原発の再稼働が遅れている本当の理由』(☆3)でも述べたが、原子力規制委員会の田中俊一委員長が書いた、何ら法的根拠のない“私案”(☆4)によって全ての原発が停止を強いられ続けている。
☆3)http://www.huffingtonpost.jp/kazuo-ishikawa/sendai-genpatsu_b_7542270.html
☆4)http://www.nsr.go.jp/data/000047352.pdf
この田中私案には、“事業者が施設の運転を再開しようとするまでに規制の基準を満たしているかどうかを判断し、満たしていない場合は、運転の再開の前提条件を満たさないものと判断する”とある。つまり、新規制基準を満たさない原発の発電再開は許さないという異常な運用だが、実はそこには法的拘束力はない。この異常な規制運用が、全ての元凶なのだ。こんな規制運用は、世界のどの国にも見当たらない。
もっともこれは、田中委員長の責任というよりも、規制委(とその事務局である原子力規制庁)の運用を“放任”している政権の責任である。規制委・規制庁の在り方に関する最終責任は、政権にある。
今月5日、原子力規制の在り方を問うシンポジウムが開催された。私がモデレータを務め、今の原子力規制運用で最も問題視されていることの一つである“活断層”認否に係る問題が先ず議論になった。そして、日本の原子力規制行政の在り方についても活発な意見が交わされた。全貌は、次の動画を御視聴されたい。
(第1部)https://www.youtube.com/watch?v=l9S37V_zuSw&feature=youtu.be
(第2部)https://www.youtube.com/watch?v=IObWoCPFWdU&feature=youtu.be
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