大阪中1遺棄:LINE偽装の疑い 不自然な表現
毎日新聞 2015年08月26日 10時20分(最終更新 08月26日 13時02分)
大阪府寝屋川市の中学1年の男女2人が遺体で見つかった事件で、殺害された平田奈津美さん(13)が事件当日の13日午前6時半ごろ以降に、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で友人に送ったメッセージは偽装の疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。普段と違う表現が交じったり、うそが含まれたりしていた。府警は山田浩二容疑者(45)=死体遺棄容疑で逮捕=が平田さんになりすましたか、無理に送信させた可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、平田さんは、遺体で見つかった同級生の星野凌斗(りょうと)さん(12)と12日夜に外出した。平田さんのスマホから13日午前6時半ごろ、ラインで同級生に「星野と京都に行く」と送信された。その後、星野さんのことを「彼氏」と表現し、「もう寝屋川には帰らない。ごめんね」「親は反対するから連絡しない」というメッセージが届いた。「子供ができた」とする記述もあり、午前6時47分が最後だった。
一連のメッセージで平田さんは自分のことを「私」としているが、複数の友人によると、平田さんは普段は「うち」と呼んで、ラインでもそう表現する。また、文章表現も普段のとは違う印象があるという。知人の一人は「『子供ができた』はあまりにもばかげている。平田さんはそんなうそを友人に送らない」と首をかしげる。
平田さんと星野さんは13日午前5時8分、京阪寝屋川市駅近くの商店街を歩く姿が防犯カメラに記録されているが、それ以降の目撃情報や映像は確認されていない。その前後、山田容疑者の軽ワゴン車とみられる車が駅周辺を走っているのが防犯カメラに映っており、府警は山田容疑者が13日午前6時半ごろまでには、2人を車で連れ去った可能性が高いとみている。
一連のメッセージは虚偽の内容を含んだり、帰宅を強く拒否したりしているうえ、午前6時半以降に送信されている。このため、山田容疑者が事件の発覚を遅らせようと、自分で送ったか、平田さんに無理やり送らせた疑いがあるという。
一方、平田さんは13日午前1時21分、別の友人に「野宿しようとおもう」と送信するなど、朝までに何度かラインで友人らとやり取りしていた。府警は午前6時半以前のものはなりすましの可能性は低いとみている。
13日夕方にも平田さんのスマホから友人にメッセージが届いたという情報があったが、府警は、13日午前6時47分が平田さんのスマホからの最後の交信だったとみている。