08月24日 21時07分
仙台市の中学1年の男子生徒が去年、いじめを受けたあと自殺した問題で、いじめに関係していた生徒に直接謝らせる場や本人や保護者に相談することなく生徒指導の集会を設けるなどの学校の対応について、いじめの問題を扱うNPOは「生徒は問題を大きくしてほしくなかったのに、逆のことをしてしまったのではないか」と指摘しています。
この問題で仙台市の調査委員会がまとめた報告書によりますと、去年、男子生徒がからかわれ泣いていたことに気づいた担任が関係する生徒を集めて直接謝らせる場を設けたほか、男子生徒や保護者に相談することなく生徒指導を行う学年集会を開いていました。
その後男子生徒は「チクった」と言われていたということです。
当時の学校の対応について、いじめによる自殺で娘を亡くし、遺族の支援などを行っているNPOの小森美登里理事は「子どもはこれ以上問題を大きくしないでほしいと思っているのに、全く逆のことが行われている。『チクった』と言われていじめがひどくなるのは常識的に分かることだ」と指摘しました。
その上で小森理事は、「いじめを止めるためには加害生徒がなぜそういう行為をするのか背景を知ることが必要で、被害生徒の安全確保と同時に加害生徒が抱える問題のケアを両輪で行うことが必要だ」と話していました。
去年3月に策定された「仙台市いじめ防止基本方針」では、いじめを受けた生徒が望む場合は「謝罪・和解の会を開くなどして関係修復を図る」という内容が盛り込まれています。
仙台市教育委員会は「今回のケースで謝罪の場を設けたことは問題ないと考えている。謝罪の場を設けるかは個々のケースで学校で判断するが、事前の指導とその後の見守りが重要になると考えている」としています。
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