存立危機事態:他国の要請明記せず 防衛相「前提にある」
毎日新聞 2015年08月25日 23時32分(最終更新 08月26日 01時48分)
参院平和安全法制特別委員会は25日、集中審議を行った。中谷元(げん)防衛相は集団的自衛権の行使について「(敵から)攻撃を受けた国の要請、同意が存在するのは当然の前提だ」と説明した。一方、日本が「自衛の措置」として武力を行使できる存立危機事態に関しては「要請、同意は(事態の)定義には含まれない」と述べ、要請や同意を安全保障関連法案の規定として明記することに否定的な考えを示した。
国際法上、集団的自衛権の行使には「攻撃を受けた国の要請または同意」が必要とされる。今回の関連法案には要請や同意の規定がないため、無所属クラブの中西健治氏は「(存立危機事態の要件として)法律に書き込むべきだ」とただした。
しかし、他国の要請や同意を法的要件にすれば、国連による集団安全保障措置など、本来は要請や同意を要しない活動への日本の参加が制約される可能性が出てくる。このため、中谷氏は「要請、同意がない場合に存立危機事態を認定することはない」と答弁したものの、法案修正は認めなかった。