エンジニアとデザイナーの話
- エンジニアとうまくコミュニケーションをが取れない…
- エンジニアに自分のデザインの意図や、やりたいことがうまく伝わらない…
Web業界で働くデザイナーの中には、このような悩みを持ったことがある人も多いのではないでしょうか。
実は今日、そんな「デザイナーとエンジニアのコミュニケーション」についてTwitterである相談をいただき、こうして筆を取らせていただきました。
相談いただいた方はわたしと同業(Webデザイナー)で、次のようなお悩みを聞かせてくださいました。
以下、いただいた質問の要約です。
エンジニア中心のチームの中で1人デザイナーとして働いています。
エンジニアの方々と普段の仲は良いです。
しかし、仕事について議論をしている際、わたしが"感覚的”に話してしまうのに対して、エンジニアの方々は"超論理的”なので、わたしが何をしたいのかうまく伝わっていないようです。
なので議論になると、いつも最後にわたしが捨て台詞を言って終わり…みたいな感じになってしまいます。
エンジニアとうまく付き合っていくために、気をつけていることはなにかありますか?
…
とても気持ちがわかります!笑
なぜかというと、わたしは自社サービスを運営しているIT企業でデザイナーをしているので、ご質問者様と同様にわたしもエンジニア中心のチームの中でほぼ1人デザインをしているからです。
エンジニア中心のチームで働くデザイナーの苦悩
わたしも今の会社に就職したばかりの頃は、
- この人(とあるエンジニアさん)何しゃべってるの…?汗
- 専門用語ばっかり並べられてもわからないよ…
- こういうデザインにしたいって言ってるのに全然理解してもらえない…
というふうに、まったくうまくコミュニケーションを取れずにいました。
その時は、あまりにも意思疎通が難しかったので「エンジニアっていうのは、なんて頑固で偏屈なやつらなんだ!」と勝手に恨んでいたくらいです笑
さて、エンジニア中心の会社(あるいはチーム)の中でデザイナーがうまくコミュニケーションを取る方法ですが、わたしは「ある3つのポイント」を意識するようにしてから、良好な関係を築けるようになりました。
もちろん、最初からそのポイントを知っていたわけではありません。
働く中で試行錯誤し、自身が社会人として成長していく過程でなんとなく分かってきたこと…というのが正しい言い方だと思います。
そんな不確実で極めて個人的なポイントになってしまうのですが、少しでもお役に立てることを願って1つずつ書かせていただきます。
1.エンジニアの仕事や興味を持っている事に、自分も興味を持つ
エンジニア中心の会社で働いていると、どうしても少数派であるデザイナーは「デザインを理解してもらえない」と思うことが出てくるかもしれません。
しかし、それはエンジニアも同様なのです。
とくに、エンジニアは技術のことをクライアントやマネジメント層の人間から理解されないことが多いので大変です。
エンジニア中心の会社で働いていると、つい周りの人間はみなITリテラシーの高いものだと思い込んでしまいがちですが、一歩外の世界に出てみてください。
「見て見て!iPhoneからスマートフォン(Android OSのスマホを指す)に変えたよ!」
「え、どういうこと!?」
まあ、こんな感じです。(ちょっと極端すぎますが)
なので、デザイナーのわたしたちも理解してもらえなくてつらい…と思うことはあるかもしれませんが、まずはこちらから、エンジニアがどんな仕事をしているのか、どんなことに興味を持っているのかということに興味を持ちましょう。
エンジニアの方に話しかけて、おすすめしてもらった本なんかを読んだら仲良くなれますよ!(オライリーの技術書以外にも、エンジニアはエンジニアリングについて面白い読み物をたくさん知っています)
2.デザインについて説明するときは、エンジニア側の用語で例えて説明する
デザインについてエンジニアに説明するときには、自身のできる範囲でエンジニア側の用語で例えて説明してみましょう。
なかなか具体例を挙げろと言われるとぱっと思いつかないのですが、わたしはこれを心がけて話すようにした結果、すごく進展がありました。
エンジニアさんの方も「うーんそうだな…デザインでいうと○○と同じようなことだと思うよ」と、デザイン側の用語で例えて説明してくれるようになったのです。
いくら言葉を知っているかとか、そういったことは1番に重要なことではないようです。
こちらが相手の立場に寄り添って一生懸命に話そうとしていると、向こうにも自然と伝わるものです。
お互いがお互いに自分のテリトリー内で勝負しようとすれば、話し合いはうまくいきません。
3.デザインは「感覚的に行うもの」という誤解を解く
エンジニア…というよりも非デザイナーの多くの方が「デザインは感覚で行うもの」と思っています。
アートとデザインの違いというのは義務教育では教わりませんし、デザイナーのアウトプットだけ見ていると「ただ綺麗な見た目にすること」と表面的な部分だけが伝わってしまうのも無理はありません。
実際には、デザインは平面構成や色彩設計、タイポグラフィや認知心理学、人間工学等さまざまな理論に則って行われるものです。
最初は難しいかもしれませんが、ただ「綺麗」「かっこいい」といった抽象的な言葉で説明するのではなく、自身のデザインについてどうしてこのようなデザインにしたのかを論理的に説明することで納得してもらいやすくなります。
なぜなら、エンジニアはご質問者様の言うとおり論理的な思考をされる方が多いですからね。
まとめ
以上が、エンジニア中心の会社でデザイナーがうまくコミュニケーションを取るためにわたしが心かげている3つのポイントです。
論理的に…というワードをよく出しているくせにざっくりとした内容になってしまったことをお許しください笑
それにしても、こうして文章に書き出してみると、大事なのは単純に「相手を理解しようとしていることを伝える姿勢」と「相手の立場に寄り添って話すこと」の2つなのかもしれませんね。
最終的に小学校の道徳の授業みたいになりましたが、以上です!笑