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停戦から1年 ガザ地区の再建進まず
8月26日 4時10分

停戦から1年 ガザ地区の再建進まず
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イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘が停戦してから26日で1年となりますが、大きな被害を受けたガザ地区の再建はほとんど進んでおらず、国際社会は、このままでは再び政情が不安定化しかねないと懸念を強めています。
去年夏のイスラエルとハマスによる50日間にわたる戦闘は犠牲者の数がパレスチナ暫定自治区のガザ地区で市民を中心に2200人、イスラエル側で兵士を中心に70人に上るなど、ガザ地区を巡る戦闘では過去最悪の規模となりました。
双方が停戦で合意して26日で1年となりますが、大きな被害を受けたガザ地区では破壊された住宅や生活インフラの再建が大幅に遅れており、今も10万人が自宅を離れ、親戚の家や仮設住宅での避難生活を強いられています。
双方は停戦後、イスラエルによるガザ地区の経済封鎖の解除に向けて間接的な協議を進めることになっていましたが、封鎖は部分的に緩和されたものの継続されており、再建が遅れる最大の要因となっています。
国連の最新の調査ではガザ地区の1歳未満の乳児の死亡率が50年ぶりに上昇傾向に転じ、保健・健康状況の悪化が懸念されているほか、世界銀行の統計で失業率が世界最悪の44%に上り、とりわけ若者の失業率は60%に達しています。
国際社会はガザ地区を、こうした劣悪な状況のまま放置すれば、再び政情が不安定化しかねないと懸念を強めています。

去年の犠牲者 過去最悪

イスラエルとパレスチナを巡っては去年の夏、イスラエル人の若者3人がパレスチナ人に誘拐・殺害される事件が起き、その報復としてパレスチナ人の少年がイスラエル人に殺害される事件が起きました。
双方の間で緊張が高まるなか、ガザ地区を実効支配するハマスはイスラエルをロケット弾で頻繁に攻撃するようになりました。これに対し、イスラエル軍は去年7月8日、ガザ地区への大規模な空爆作戦を開始し、さらに17日には2009年以来となる地上部隊によるガザ地区への侵攻に踏み切りました。戦闘は50日間に及び、双方は合意によって、8月26日に停戦しました。
国連がことし6月に出した報告書の中で、イスラエル軍の空爆は6000回、戦車などによる砲撃は5万発に上り、これに対し、ハマス側のロケット弾による攻撃は6500発だったと推計されています。
また、犠牲者の人数はガザ地区で551人の子どもを含むおよそ2200人で、一方、イスラエルでは兵士を中心におよそ70人に上り、ガザ地区を巡る戦闘で、これまでで最も多くなりました。
国連はイスラエルとハマスの双方に戦争犯罪と疑われる行為があったと指摘しています。

「天井のない監獄」変わらず

ガザ地区はパレスチナ暫定自治区として自治が認められているものの、イスラエルが建設した高い塀やフェンスで囲まれていて、2007年にイスラム原理主義組織ハマスがパレスチナの中で対立する勢力を武力で制圧し、実効支配に踏み切って以降、イスラエルが人やモノの厳しい封鎖を続けています。
去年の戦闘で、ハマスはイスラエルによる封鎖の解除を掲げて戦闘を続け、停戦した際には封鎖の解除に向けてイスラエル側と間接的に協議を進めることで合意していました。
それから1年がたち、イスラエルは人の行き来や農産物の輸出など封鎖を部分的に緩和しましたが、依然として特別な許可がなければ住民がガザ地区の外に出ることを認めておらず、ガザ地区が「天井のない監獄」と表現される現実は変わっていません。
イスラエルとハマスの戦闘は、ハマスがガザ地区の実効支配を始めた2007年以降、すでに3回行われ、そのたびに住民を含む大勢の犠牲者が出ています。住民の置かれた状況が厳しさを増すなか、ガザ地区では過激派組織IS=イスラミックステートを支持するグループが暗躍し、ハマスと対立する姿勢を示すようになり、新たな不安要素が出てきています。

再建進まない住宅

去年のガザ地区を巡る戦闘では1万8000世帯の住宅が破壊されたほか、電気網や道路などの生活インフラも壊滅し、これらの再建が大きな課題となってきました。
しかし、住宅の再建はほとんど進まず、今もおよそ10万人がガザ地区の中で、仮設住宅の生活を余儀なくされたり、親戚の家に身を寄せたりしています。再建のめどが立たないなかで、倒壊のおそれがある自宅に住み続けている人も少なくありません。
国際社会は去年10月、エジプトのカイロで開かれた国際会議でガザの再建に向けて35億ドルの支援金の拠出を約束しましたが、国連によりますと、先月の時点で実際に支払われたのは、その3割程度にとどまっているということです。
さらに住宅などの建設に必要なセメントや鉄筋などがハマスに軍事転用される懸念があるとして、イスラエルが建設資材の搬入を厳しくチェックする体制を取っているため、こうした物資がガザ地区に十分に届かず、再建の遅れが懸念されています。

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