なぜ幼稚な政治家ばかりが増殖するのか 〜大人になれない国ニッポン東アジアの「トホホ」な国々(3)日本編

2015年08月25日(火) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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ある選挙コンサルタントも言う。

「以前、民主党の細野豪志元幹事長が安倍総理にネット上で公開論戦を挑んだことがありました。細野氏は文案を練りに練って投稿したのですが、安倍総理と自民党支持者から猛反論されたうえ、『小賢しいことを言ってるんじゃないよ』と外野からも批判され、劣勢に追い込まれた。後で細野氏は、周囲に『オレの言ってることは正しいのに、どうして分かってもらえないんだ』とこぼしていました」

この細野氏の態度こそ、まさしく民主党の抱える「悪い癖」そのものである。選挙コンサルタントが続ける。

「安倍総理や自民党は街頭演説や国会の論戦でも『中国が攻めてきたらどうする』『日本の誇りが失われてしまう』と、ひたすら感情に訴える。それに対して民主党の面々は、『憲法第○条第○項では……』とか『○年○月に締結された条約では……』『民主主義と立憲主義の大原則に反して……』などと、とにかく堅苦しくて小難しいことばかり言っては、得意になっているんです」

政治家の仕事は、勉強の成果をひけらかすことでも、テストでいい点を取ることでもない。こんな簡単なことさえ分からない民主党の議員たちも、自民党とはまた違った意味で、どうしようもなく「子供」だと言わざるを得ない。

「どんな国家でも、その国民一般の平均水準以上の指導者をもつことはできない」と述べたのは、精神分析学者で和光大学名誉教授の岸田秀だった。

以前に比べていくらか下火になったとはいえ、「中国人、朝鮮人は出て行け」「安倍政権に楯突く奴は売国奴」などと、街角で声高に叫ぶ人々はまだ存在する。その一方で、テレビを点ければ、どのチャンネルを回しても「日本人はこんなにすごい」「欧米人が日本を尊敬している」という番組がやたらと目につく。

中国や韓国をバカにする日本人は少なくないが、世界からは「どっちもどっち」と見られていることは、忘れないほうがいい。

「週刊現代」2015年8月29日号より


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