任天堂が光ディスクドライブ非搭載の新ゲームシステムの特許を出願していたことが明らかになりました。様々な憶測の中で最も注目を集めているのが、同社の新型ゲーム機「NX」がダウンロード専用機となるのでは?という見方。WiiUのもとで苦戦を続けた据え置きゲーム市場における劣勢を覆すかもしれない、任天堂の"次の一手"が見守られています。


海外フォーラムNeoGAFのユーザーにより任天堂が出願した特許申請が発見され、思い切ったハードウェア構成が話題となっています。その概要は、プログラムが保存される内蔵HDDやネットワーク経由のプログラム/データの送受信装置、HDD内に保存されたプログラムを実行するプロセッサを含み、メモリーカード用スロットも備えて外部ディスプレイ出力のある据え置きゲーム機。本体内蔵のHDDは任天堂ハードとしては初ではありますが、基本的にはWii UやPS4、Xbox Oneなど現行のゲームハードとそう変わりません。

NX
その中で目を引くのが「光学ディスクドライブを搭載しない」という記述。任天堂の据え置きハードは2001年発売のゲームキューブ以降、光学ディスクドライブを採用し続けており、もし実現すれば1996年のNintendo 64から約20年ぶりの非搭載ハードとなります。

 さらに「操作機能とバッテリーを内蔵した無線通信デバイス」及び「(本体のワイヤレス通信装置との間に)操作情報やディスプレイ装置に表示されるデータの送受信」というコントローラーと思しきくだりは、Wii Uのゲームパッドないしその発展型と推測されます。

 その上「光学ドライブを持つ別のゲーム機との互換性」や「ハードウェア構成が異なる処理ルーチンを持つ」のカードが揃えば、Wii Uとは別設計だが互換性を保持した新ハードと想像してもおかしくはありません。

 全ての符号が指差しているかもれないのが、任天堂の次世代据え置きハードと言われる「NX」。Wiiがゲームキューブとの、Wii UがWiiとの後方互換性を保った過去からすれば、自然な流れと言えそうです。

 この新ハードは、光学ディスクドライブ非搭載から、ダウンロード専用になるのでは?ともっぱらの噂です。最近の任天堂はダウンロード販売に注力しており、『スーパーマリオメーカー』でもパッケージにダウンロード番号(ソフトと引き換えられる番号)の紙を入れたディスクフリー版を提供し、「ダウンロード版は手元に形あるものが残らない」という嘆きを救済しているほど。


 ゲームソフトが全て特定ハードやユーザーと紐付けられて中古対策にもなるダウンロード専用ハードは、ゲームメーカーにとって悲願の夢です。が、夢に早く手を伸ばしすぎて、週間販売台数0台を記録したPSP goの前例もあるせいか、各メーカーも「お先にどうぞどうぞ」と譲り合いの美徳を発揮しています。

 もっとも、「新ハード」といっても「NX」とは限りません。ディスクドライブを省略してコストを削減した廉価版Wii Uの可能性もあります。仮に「NX」としても、ダウンロード専用と決めつけるのは早計です。特許案のイメージによれば、メモリーカード内にプログラムが組み込まれている仕様。つまりソフトがメモリーカードの形態で供給されるとも考えられ、だとすればNintendo 64以来の任天堂据え置き"ROMカートリッジ"ハードの再来となります。



身も蓋もないことを言うと、特許を出すだけ出して製品化しない場合もありえます。が、遠足よりも遠足の前日、ゲームハードの発売より発売前の憶測が楽しかったりするもの。ひょっとしたらPS Nowのようなゲームストリーミングサービスに対応したハードかもと妄想をたくましくしながら、正式な発表を待ちたいものです。
「NX」は光学ドライブ非搭載? 任天堂の新ゲームハード特許が公開

0 コメント