
大量絶滅とは一定時期に多くの生物種が同時に絶滅する現象だ。特に大規模な大量絶滅はこれまで5回起きており、ビッグファイブと呼ばれている。6500万年前の恐竜の絶滅もこのビッグファイブの一つに数えられる。
種や遺伝情報が永遠に失われてしまう大量絶滅を素晴らしい出来事とみなすことは難しい。だが、コンピューター科学者は、少なくともロボットに関しては、大量絶滅によって進化が速まり、有益な適応を促すことを実証した。
研究者によれば、本結果は人工知能ロボット開発における知見を与えるとともに、大量絶滅が進化の潜在性を秘めた血筋を有利にする可能性があると示唆しているのだそうだ。
「集中的な破壊は驚きの結果につながります」とテキサス大学のコンピューター科学者リスト・ミックライネン(Risto Miikkulainen)教授。彼によれば、より優れた道具を開発するには、客観的に劣っていると思われるものを開発する必要があるときもあるという。
ミックライネン教授は、コンピューターシミュレーションで、大量絶滅が進化を助ける仕組みについて調査した。ニューラルネットワークをロボットの足をシミュレートしたものに接続し、ロボットが滑らかかつ安定して歩行するよう進化できるか試してみた。

現実の進化と同じく、このプロセスにはランダムな突然変異が起こるように設定されていた。また数多くの生態学的地位(種が利用する一定範囲の環境要因)が作成され、様々な新しい特徴や能力が出現しうるようにした。
数百世代を経たのち、ロボットの行動はそれぞれの生態学的地位を満たすため広範囲に進化した。しかし、その多くは歩行に直接役立つようなものではなかったという。

その時点で、生態学的地位の90%のロボットを無作為に絶滅させ、大量絶滅を模した。こうした進化と絶滅のサイクルを数回繰り返すと、生き残った血統は最も進化の可能性があるものであり、それゆえに新しい行動を生み出す潜在性が最も高いことが判明した。
例えば、大量絶滅が起きないシミュレーションと比べ、起きる場合は優れた歩行を進化させていた。

研究者によれば、この結果は、予測不可能な障害の克服方法を学ぶことが得意なロボットを開発するうえで役立つかもしれないそうだ。
なお、現代では通常の100倍の速さで種が絶滅しており、他ならぬ人間の手による6回目の大量絶滅が進行中であると考えられている。急速な種の消失は人類の存亡にも関わっている。昆虫を媒介とした作物の受粉や湿地帯の水浄化作用など、生態系サービスが脅かされるからだ。現在の絶滅速度が続けば、3世代で数多くの生態系の恩恵が失われると専門家は懸念している。
Computer scientists find mass extinctions can accelerate evolution・dailymail・原文翻訳:hiroching
▼あわせて読みたい
地球はついに6回目の大量絶滅に突入。人類は自らの責任によって存亡の危機にあると科学者が警告(アメリカ研究)
地球が大量絶滅に向かっている7つの兆候
図解:かつて地球内生命体が経験した5度の大量絶滅。そして6度目はじわじわと進行中
地球6度目の大量絶滅期、大型捕食動物が減少へ(米研究)
地球は大規模な大量絶滅の危機に!?生き残るのはどの生物か予測不能(オーストラリア研究)
コメント
1. 匿名処理班
戦争が科学を発展させ、その後に訪れる平和が文化を発展させる
何事にも表と裏があるってことで
現代現在の「なんでもあり」の状態は
大量絶滅の危機に瀕した際の種の存命の可能性に備えて
いろんな対応ができるようにするための本能かもしれんね
2. 匿名処理班
じゃあスカイネットが人類を
滅ぼそうとする事には
それなりのメリットがあると言うことか
3. 匿名処理班
人類は滅ぶべきなのだな
4.
5. 匿名処理班
※2
むしろ人間以外の生命からしてみれば、人間が存在することのメリットなんて何一つない
6. 匿名処理班
必殺!… 適応放散!!!
7. 匿名処理班
つまり現代は人類にとって代わる存在が生まれやすくなって来てると
8. 匿名処理班
munimuniさんの「物理エンジンシリーズ」を彷彿とするなw
9. 匿名処理班
戦争こそ人類を進化させる手段だ、みたいな
少年マンガやゲームのラスボスによくある設定ぽいね
10.
11.
12. 匿名処理班
逆にどんな病気でも治せる医療が完成した場合
人類の進化は止まり、遺伝子は多様化して人種間、宗教間以上の対立を生み出すことになる
13. 匿名処理班
ウイルスが進化してるよ
きっと、我々をいつか絶滅に追い込む
14. 匿名処理班
シム…
シムレッグ?
15. 匿名処理班
大量絶滅したら少ない生物で地球を独占できるわけだろ?
いいことじゃん
どんどん絶滅すればいいよ
16. 匿名処理班
そんな海外SF短編が昔あったな。
17. 匿名処理班
※5
ゴキブリ、ねずみ等、害虫の皆さん
「そんなことはないですよ。」
18. 匿名処理班
人類補完計画もそんな感じだったよね
19. 匿名処理班
始まりにはやがて終わりが来るのは当然の事だけど、
その終わりを、緩やかな物にするか否かを選択する事が出来る可能性を持つ知能が有る人間が、同じ人間同士で争っている限り突発的要因による大量絶滅は免れないな、とは思いますね。
20. 匿名処理班
人間という災禍を超越する種が生まれる
21. 匿名処理班
※5
人間が他の惑星で自給自足の生活を実現すれば、当然いろんな動物も連れて行くはず。
そうなれば、人間という種の寿命も長くなるから、人間の文明が滅ばない限り他の動物も、
種としての寿命は飛躍的に高まるはず。もちろん、人間が他の動物を絶滅させないことが前提だけど。
22. 匿名処理班
環境に最も適応した「勝者」が絶滅の主役になる。
節足動物の時代から恐竜まで同じパターン。
小さな絶滅事件でもだいたい似ている。
次の大量絶滅では当然、ホモ・サピエンスが主役になるだろう。
これだけ地球上に蔓延している種であるからには避けられない運命。
ちなみに、ある種が地球環境を破壊する事件は昔から起きていた。
硫化水素を発生する菌類、酸素を発生する細菌。
それぞれの時代で、地球規模の環境激変の原因となった。
23. 匿名処理班
スパースモデリング使ったな!
24. 匿名処理班
※21
おごり高ぶった、増上慢な性格を直せば、解決するけどな
25. 匿名処理班
まあ、当然といえば当然の結果だわな。
先行逃げ切り型で数だけ無駄に多いヤツや、数こそ少ないものの少数精鋭型が、ある日突然同じ数にされれば精鋭型が繁栄し、先行逃げ切りは絶滅。数の多くなった精鋭は多様を謳歌し、その中からまた先行逃げ切りと少数精鋭が生まれ、飽和したら…また絶滅させた方が優秀な種が繁栄するから進化のスピードが速くなるのは当然だ。
26. 匿名処理班
仮に将来微生物以外死滅するような絶滅が起きたとして、数億年後にはまた似たような生き物が溢れてるのかしら?
27. 匿名処理班
これ面白いな
遺伝的アルゴリズムでランダムに1割くらい残して絶滅させたほうが
最適化を高速化できるってことだろ?
28. 匿名処理班
Avengers - Age Of U ltron のプロットがまさにそれだよね
最後の動画のナレーション、英語の人工音声はできがいいなあ
日本語もこのくらいのクオリティでできないもんかな
29. 匿名処理班
※27
ただ設定はいたってシンプルだよ
リアルと違って、大量絶滅後の環境は以前の状態に迅速に復旧されるんだからな
つまるところ、短期的に強い淘汰圧がかかって適応度の高いものが生き残るってだけ
30. 匿名処理班
アヌンナキ「また人間創るから気にすんな。」
31.
32.