たばこの害―Ⅱ

糖尿病との関係

 たばこは万病のもとといわれており、糖尿病のリスクも高めます。交感神経を刺激して血糖値を上昇させるのに加え、体内のインスリンの働きを妨げる作用もあります。喫煙と糖尿病の関連性について、会社員53930人のデ-タを解析したところ、喫煙者の糖尿病リスクは非喫煙者の1.34倍でした。本数も影響を与え、1日当たり10本以下だと1.23倍ですが、同21本だと1.51倍となりリスクが高まることが明らかになりました。
 禁煙年数と糖尿病の関係では、禁煙年数が5年未満だと糖尿病のリスクは非喫煙者の1.36倍で、リスクの低下がみられません。しかし、59年で1.23倍、10年以上禁煙すると1.02倍と下がります。非喫煙者を同等のリスクになるには10年以上かかります。

(2015年8月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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訪問看護師の意義

 在宅看護を担う訪問看護師を育てる取り組みが進んでいます。訪問看護に必要な幅広い知識を教えるために、自治体が看護系大学と組んで養成コ-スを開設したり、民間企業と連携したりしています。国は地域全体で高齢者をケアする仕組みづくりを進めています。その担い手である看護師の不足が指摘され、人材育成が急務になっています。2年間の訪問看護師の養成コ-スは、診療所や病院に加え、訪問看護ステ-ション、老人保健施設での研修を含んでいます。最新の知識や技術だけでなく、取り組む姿勢や態度などの習得できるのが特徴です。 続きを読む

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マイナンバ-の年金との連結延期

 マイナンバ-とは、国や地方自治体が社会保障と税の個人情報を効率よく管理するため、日本に住む全ての人に割り当てられる12桁の番号です。201510月から住民票がある市区町村から郵便で番号の通知が始まります。原則、生涯、同じ番号を使い続けなければなりません。マイナンバ-の利用は20161月から始まります。事前に通知された番号ごとにICチップが搭載された個人番号カ-ドが配られます。企業は2016年から従業員やその家族、アルバイトなどの源泉徴収などの書類にマイナンバ-を記載して国や自治体に提出する義務が生じます。マイナンバ-を巡っては、情報漏洩への不安が根強くあります。政府はマイナンバ-につながる個人情報を1カ所に集中させないようにすることで、情報漏洩した時のリスクを抑えられると考えています。
 政府は、税と社会保障の共通番号と基礎年金との連結を当面延期することにしました。来年1月から始まる予定でしたが、日本年金機構の情報流出問題を受け、安全な体制が整うまで見送るとのことです。2017年からはマイナンバ-を使って個人用サイトから年金保険料の納付免除の申請や税と保険料の一括納付などができるとのことです。

(2015年8月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

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ダブルケア

 育児と介護、一つ一つでも大変なのに、これらが同時にのしかかるダブルケア状態に陥る人が増えてきています。晩婚・晩産化で子育て期が遅くなり、親の介護時期と重なってしまうためです。横浜国立大学の相馬直子准教授らは、20122014年に5府県で6歳未満の子どもを持つ母親ら約1900人に実態を調査しています。介護にも携わっているとする回答が約1割に上り、過去に経験した人も約1割いたことが明らかになりました。今後可能性があると答えた人を含めると、約4割がダブルケアの当事者であり、すでに身近な問題になっています。背景にあるのは晩婚に伴う晩産化です。1985年には、9千人に満たなかった40歳以上での出産した女性は、2014年に5万人を超えました。出産全体に占める割合は1985年の0.6%から2014年には5%に急増しています。 続きを読む

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子どもの医療費補助

 子どもの医療費はもともと、就学前なら2割、小学生からは3割を自己負担するのが原則です。医療費補助は、子どもの医療費について、自己負担の一部または全部を地方自治体が補助する仕組みです。経済的な理由で病院に行けない子どもがなくなるなどの利点がある半面、自治体の財政負担が重くなります。全国で拡大していますが、自治体間の子育て世帯の奪い合いを助長する面もあります。
 全国の地方自治体が、子どもの医療費補助の対象を広げています。中学生で助成する市町村長が、2014年に930カ所と前年から99カ所増えて初めて全体の5割を超えました。高校生までとする自治体も全体の1割を超えました。子育て世帯を呼び込みたい自治体が補助を競っているのが現状です。自己負担が少なくなると、不必要な受診が増えて医療費が膨らむと懸念する声もあります。

(2015年8月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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