2015-08-25

私の好きな人には彼女がいる

私の好きな人には彼女がいる。しばらく、知らなかった。

彼は私といるのは楽しいと、いつも呼び出す。セックスだってする。

3年くらいそういう関係だった。

たまにしか会えなくて寂しいといったら、俺たちって付き合ってないよね、っていわれる。

間が3ヶ月あくなんて普通にあった。一番あいときで1年とすこし。

会いたいといったら面倒くさがられて、しばらく連絡がなくなる。そういう関係だった。

会いたいといったら、ほかの女性との写真SNSに上げたり、メールでそういうことを示唆したり。

ここにいきたいといったら、そのあと別の女性SNSで行った写真を上げたり。

そういう意地悪をされていた。でも、好きだった。二人でいるときは、楽しかった。

あるとき、私は本当にあなたのことが好きだという話をした。楽しくお酒を飲んでいるときだった。

彼の顔色が変わる。脂汗をかき始める。

お店をでて、土下座された。

「ごめん。彼女がいる」

うすうすは知っていた。彼女理由が会って彼とあまり頻繁には会えないらしい。

絶対彼女とは別れない。でも、寂しくて君を呼び出していた。

この話を聞いてから、彼は優しくなった。普通恋人みたいになった。

意地悪をしなくなった。

でも、彼女とは別れないていない。

10日に一度くらい、連絡が取れなくなる日がある。

あるとき今日はこれから彼女デートだといった。

朝まで連絡はなかった。

耐えられなかった。死んだほうがましだと思った。

それを彼に伝えた。申し訳ない、と泣いた。

でも私は別れたくなかった。

彼に、もう彼女と会うことを私には言わないでといった。


彼が転職活動を始めた。いままで頻繁に会っていたが、2週間ほど忙しくて会えないという。

彼女も忙しいから会えないんだ、といわれた。

その前にと、飲みにいった。

忙しい間、私ではなく、彼女と会えなくて寂しい、と泣いた。

私はどうすればいいかわからなかった。お願いだから、死んで、とだけ言った。


次の日、彼は私に謝った。

なんかもう、すべてが遠くの出来事のようだ。

体の中から心が溶け出してしまったようで、もう何も感じない。

菩薩のような微笑を浮かべる、からっぽの体だけが私に残った。

彼は今日も、彼女を恋焦がれるのだろうか。

彼の心も、からっぽになればよいのに。

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