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ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,  09:00 PM

「黄金比」を使って写真の構図をばっちり決めよう

「黄金比」を使って写真の構図をばっちり決めよう

150825_GoldenRatio.jpg


MakeUseOff:写真を撮る時は、まず構図を決めなければなりません。場面をどうフレームに収めるかは、素晴らしい写真を撮るうえでの基本です。構図を決めるテクニックで、これまできわめて重要だとされてきたのが、「黄金比」です。

では、黄金比とはいったい何なのか、素晴らしい写真を撮るには黄金比をどう取り入れたらいいのか、ご説明しましょう。


黄金比とは?


1本の線を引き、どこかに点を打って「短い線」と「長い線」の2つに分割したとしましょう。数学の法則から言うと、どんな線であろうと、「短い線」と「長い線」の比率と、「長い線」と「線全体」の比率が等しくなるように分割できる、1つの点があります。

それをわかりやすく示すと下の図のようになります。

150825_GoldenRatio_line.png線分全体の長さはx+y、長い方の線分の長さはx、短い方の線分の長さはyです。この図では、x÷y=(x+y)÷x=1.6180339887498948420という等式が成り立っています。

この魔法の比率は「1.618」で、「黄金比」または「黄金分割」と呼ばれています。数学の世界では、この数をギリシャ文字の「φ」(ファイ)で表します。では、この数と写真にはどのような関係があるのでしょうか。

画像の構図に関して言えば、フレームを分割する際にこの比率が利用できます。被写体をど真ん中に置く代わりに、水平線を基準として1.618の比率のところに配置するのです。初めはわかりにくいかもしれませんが、これから詳しく説明していきますから、意味不明だとあきらめないでください。

注意:同じような効果を出すために、あとで画像をクロッピングすることもできますが、クロッピングしたものは、最初から構図が優れている作品には絶対に勝てないことを覚えておいてください。さらに、黄金比を意識することは、写真の構図を決める良い訓練になります。


ファイ・グリッドとは?


多くの写真家は、写真の構図を決める時に、ファイに基づいたグリッドを使うことを好みます。この手法は「ファイ・グリッド」と呼ばれ、写真の基本原則の1つ「三分割法」のバリエーションです。

三分割法では、フレームを均等に縦3つ、横3つに分けるので、縦の比率が1:1:1、横の比率も1:1:1になります。ファイ・グリッドも同じようにフレームを分割していくのですが、縦も横も、真ん中の部分を黄金比にもとづいて小さめにしますので、縦の比率が1:0.618:1、横の比率も1:0.618:1となります。

下の図は、三分割法を青い線で、ファイ・グリッドを黒い線で描き、重ねたものです。


150825_phigrid_3split.png


視線は、グリッドの線が交わるところにおのずと引きつけられますから、被写体を配置する時は、それらの交差点を利用してください。「Digital Photography School」が、ファイ・グリッドの使いかたについて、例を挙げて丁寧に説明しており、一読する価値があります。

150825_GoldenRatio_grid.jpg

地平線とファイ・グリッドの一番上の線を合わせました。私個人の考えですが、地平線を三分割の線と重ねるのは、分割の仕方があからさま過ぎます。画像の被写体ではない部分が、場所を若干取りすぎてしまうと思うのです。この写真では、私が捉えようとしている被写体、つまり、右下の教会と左側の有名なデュバル・ストリートを、空と雲が見事に引き立てています。けれども、この写真よりも空の面積が増えてしまうと、見る人は、空が被写体だと考えてしまうかもしれません。


フィボナッチ螺旋


150825_Golden_spiral.png


幾何学では、黄金比をある特別な長方形として表現することもあります。上で紹介した長さx+yの線分を使って、縦がx、横がx+yの長方形を作ったとしましょう。

その長方形をいくつもの正方形に分けていけば「フィボナッチ数列」からなる螺旋が描けると、「LiveScience」が説明しています

ダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだことのある人なら、フィボナッチ数列はご存知ですね。まず1を2つ並べて、そのあとは1つ前の整数と2つ前の整数の和を次々と書き加えていきます。つまり、次のような数列です。

1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89...

中世イタリアの数学者であるフィボナッチは、この「黄金螺旋」が自然界に見出せることを発見しました。今では、DNA分子から花びら、ハリケーンから銀河系に至るまで、さまざまな所で見つかっています。それよりも重要なのは、フィボナッチ数列が人間の目にとって心地良いという点です。

デューク大学プラット・スクール・オブ・エンジニアリングで機械工学を研究しているAdrian Bejan教授によると、黄金比が美的快感をもたらすのは、人間の視覚の進化によるものだそうです。

簡単に説明しましょう。人間の脳は、目に入るものすべてを処理しなければなりません。そして、処理スピードが速ければ速いほど、心地良さも増します。黄金比で構成されたイメージは、脳がほかのものよりも速く処理するので、そういったイメージは美的快感をもたらすというシグナルが送られるわけです。


フィボナッチ螺旋の活用法


実際に写真を撮る時は、専門的な解説を気にする必要はありません。フィボナッチ螺旋は、あらゆる写真撮影で役に立つと言ってもいいくらいですが、とりわけ風景写真と広角撮影で効果を発揮します。

「Apogee Photo」では、フィボナッチ螺旋を活用した素晴らしい作例を紹介しています


150825_GoldenRatio_apphoto.jpg

[Photo via ApogeePhoto.com


霧が立ち込めた秋の夕方でした。霧を通してにじみ出る夕焼けの色と、美しい深紅に染まった葉っぱの色を捉えたいと思いました。小道を歩く姿が浮かび上がったひとりの人物と、前面には色づいた葉、そして、構図の中心的存在としての立ち並ぶ木々をフレームに収めようと、カメラを構えました。思い描いた長方形の中心に、それらの要素を置きました。そうすれば、重要なフォーカスポイントをいくつか、比率に合わせて配置し、かつ、大きく弧を描いた螺旋の曲線に沿って、霧を風景の中に取り込めるとわかっていたのです。

ご覧の通り、螺旋は構図の核となる点から外側へと、視線を自然に導いています。フィボナッチ螺旋を使ったほかの写真を見たい方は、Instagramの優れた自然写真家をフォローしてみてください。


黄金比が使えるオススメのアプリ


150825_camera.png


適切なカメラアプリを使えば、もっと上手に写真を撮れます。とはいえ、すべてのカメラアプリで、ファイ・グリッドやフィボナッチ螺旋が使えるわけではありません。

Androidユーザーなら、『Camera Zoom FX』(300円)がおススメです。ファイ・グリッドとフィボナッチ螺旋をオーバーレイ表示してくれます。使いたいグリッドを選んだら、写真の構図を考えてシャッターを押すだけです。

iPhoneユーザーなら、『Camera Awesome』(無料)でフィボナッチ螺旋が使えるので、写真の腕前が上がります。ファイ・グリッドを使うには、有料アプリ『Phi Camera』(120円)が必要です。


黄金比vs三分割法



インターネット上では、黄金比と三分割法のどちらが良いか、という議論があちこちで繰り広げられています。上の動画では、2つのテクニックに関する意見を紹介していますが、皆さんはどちらが良いと思いますか?


Using the Golden Ratio in Photography for Better Composition|MakeUseOff

Mihir Patkar(訳:遠藤康子、吉武稔夫/ガリレオ)
Photo by Shutterstock.

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