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<世界同時株安>与党に補正待望論 アベノミクス失速警戒

毎日新聞 8月25日(火)21時31分配信

 世界同時株安の流れを受け、経済対策を求める声が与党内で強まっている。安倍政権の経済政策「アベノミクス」が失速すれば、最近の内閣支持率低下とあいまって、安倍晋三首相の足元が揺らぎかねないためだ。

【アベノミクス、狂い始めた楽観論】

 自民党の二階俊博総務会長は25日の記者会見で、災害対策やインフラ整備を進める国土強靱(きょうじん)化に「それなりの財政措置をしなければいけない」と述べ、景気を刺激する補正予算の編成を促した。党内では「安倍政権は円安と株高で維持されてきた」「このままでは来年夏の参院選は厳しい」と補正待望論が高まっている。

 ただ、菅義偉官房長官は25日、東京都内での講演で、株価の乱高下に懸念を示しつつ、「2014年度補正予算、本年度予算をできるだけ前倒しで執行し、日本経済を支える」と表明。新たな補正に関する質問には明確に答えなかった。

 この日の自民党総務会では、「これ以上、金融緩和を進めてハイパーインフレになったらどうするのか」と、アベノミクスの「第一の矢」の金融緩和に疑問の声が上がり、ある出席者は「党内でもアベノミクスへの不満が出てきた」と漏らした。アベノミクスへの信頼が傷つくのを避けたい公明党の石井啓一政調会長は「海外要因による世界同時株安。アベノミクスの失敗で事態を招いたわけではない。冷静にみなければいけない」と記者団に語った。

 野党は批判を強める。民主党の細野豪志政調会長は記者会見で「日本経済はこれまで言われていたよりも厳しい状況だとマーケットが示した。アベノミクスの限界を露呈している」と指摘した。生活の党の小沢一郎共同代表も会見で「一時の安倍人気のメッキがはがれた。そろそろ先が見えた感じではないか」と述べた。【大久保渉、佐藤慶】

最終更新:8月26日(水)0時28分

毎日新聞

安倍晋三

安倍晋三(あべしんぞう)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 山口県4区 自民党
プロフィール:
1954年9月21日生 初当選/1993年 当選回数/8回