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 「人生一度。不倫をしましょう」と呼びかけ、世界規模で会員を増やした既婚者向け出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」の情報流出事件で、運営会社のあるカナダの警察当局は24日、事件に関連して2人が自殺した可能性があることを明らかにした。「流出した」とされる情報は実際に登録されたものである可能性が高いといい、「3千万人以上の個人情報が流出した、世界最大規模の事件だ」としている。

 米国の捜査当局などと合同の記者会見で、カナダの捜査担当者は、「すべてのデータは確認できていないが、抽出したものは本物だった」と述べた。また「情報流出に関連して2人の自殺者が出たという未確認の情報がある」とも話した。国籍などは明らかにしなかったが、今回の流出が広く社会的影響を及ぼす可能性があるとの見方を示した。

 ハッカーがネットに流した個人情報は当初、特殊な閲覧ソフトを利用しないと見られなかったが、現在は通常の閲覧ソフトでも見られる状態になっている。名前やメールアドレスから検索できるサイトも作られているが、偽の情報が混じっているものもあるという。

 世界48カ国で約3800万人の会員を集め、日本でも約180万人が登録しているという。米AP通信によると、運営会社は50万カナダドル(約4500万円)の懸賞金を懸け、情報提供を求めている。(サンフランシスコ=宮地ゆう)