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国際社会は冷ややかな見方=欧米主要国、首脳参加せず―抗日戦勝軍事パレード・中国

時事通信 8月25日(火)17時31分配信

 【北京時事】中国政府は25日、抗日戦争勝利70年の9月3日に開催する軍事パレードなど記念式典に、30カ国の国家元首・政府首脳が出席すると発表した。
 しかし、主要国ではロシアのプーチン大統領と韓国の朴槿恵大統領にとどまり、欧米主要国は軒並み首脳出席を見送った。第2次大戦「戦勝国」の主要国首脳がそろわない現実は、習近平国家主席の権力基盤を誇示する式典への国際社会の冷ややかな見方を反映した形だ。習主席の求心力に影響するとの見方も出ている。
 式典に首脳級が参加するのは、中央アジアなど「上海協力機構」加盟国やパキスタン、スーダンなど「友好国」が大半を占め、欧州からはチェコ、セルビアなど4カ国にとどまった。
 首脳級以外では政府代表ら19人も参加するが、フランスとイタリアは外相、米国、ドイツは駐中国大使をそれぞれ派遣。その背景には「民主化運動を武力弾圧した天安門広場での軍事パレードに拍手はできない」(外交筋)という事情に加え、日本への配慮もあった。中ロと共に「新興5カ国(BRICS)」を構成するインドやブラジルも、経済力を武器に影響を強める中国の要請を重視しつつ、政府代表の派遣でバランスを取った。
 記者会見した張明外務次官は、30カ国の首脳級出席について「幅広い地域から代表が集まった」と評価。その上で、式典は「今の日本や日本人民に向けたものではなく、現在の中日関係に直接の関係はない」と強調した。
 軍事パレードでの習主席の大きな狙いは、「戦勝国」として戦後国際社会で中国が果たした貢献を強調し、天安門で「大国・中国」を国民に示すことだ。最高指導者のメンツもあり、中国政府は欧州主要国に首脳参加を求めて外交を展開した。 

最終更新:8月25日(火)18時54分

時事通信