第23回 「合体ロボ・サイバーマシン朱雀」  

どうもこんにちは。
 皆様5月病になどかかっておられませんでしょうか?
 今回は男の子の夢、待ちに待った合体ロボについてということで、リミッター解除・マニアック度300%アップでお送りします。

合体ロボットとは!
 読んで字のごとく、なにかが合体することでロボットになるというものを指します。
 「乗り物同士が合体してロボットになる(※1)」、「部品同士が合体してロボットになる(※2)」、「ロボットと乗り物が合体してロボットになる(※3)」などいくつかのパターンがありますが、ガチャフォースの合体ロボットは、なかでも最もうれしいパターン「ロボット同士が合体してロボットになる(※4)」であります。
 ただでさえでかくて強くてかっこいいという点で素晴らしい存在であるロボットが、合体してさらにでかく!さらに強く!さらにかっこいい!ロボットになるのですから、その素晴らしさはうなぎ登りなのですよ。



合体せよ!!


バースト発動!!





合体プロセス1

合体プロセス2

合体完了!!



合体プロセス4



合体プロセス3

 2体の大型マシンボーグが、バースト発動によって合体した姿こそ、最強無敵のスーパーロボット・サイバーマシン・朱雀なのだ!!




カプコンゲームにおけるこのタイプの合体ロボの歴史は、「サイドアーム」(※5)(1986・AC)に始まります。
 2人同時プレイの横スクロール(上下スクロールの面もある)シューティングであるこのゲームでは、2人のプレイヤーそれぞれの自機であるロボット<ハイパーダイン>が、アイテムを取ることによって合体するわけです。
 続くのは「パワードギア」(1994・AC)。
 3人同時プレイのベルトフロアアクションゲーム(※6)である本作では、やはり合体アイテムを取ることによって3体のロボット<ヴァリアントアーマー>が合体して巨大ロボットになります。(※7)
 このように、カプコンゲームにおける合体ロボットというアイデアは、プレイヤー同士の協力技として、多人数同時プレイとともにあったのです。
 複数のロボットが協力して戦おうという時に、その最強のかたちは合体であるわけですから、「合体してー!」と思うのはロボット文化圏の男児には当然の欲求ですからね。
 そういったわけで、2対2で戦うガチャフォースにロボットが登場する以上、それが合体するのは男児の夢、ゲーム史的な必然、当然の使命であったと言えましょう。

ゲームで合体ロボットを扱う上で、最も問題となるのは操作系です。
 だいたいアニメや特撮においては、合体ロボットのメインパイロット以外の人はなんにもしてません。しかしゲームでそれをやってしまうと、サブパイロットになってしまったプレイヤーは退屈してしまいます。
 かといって全員に平等に操作を分担して二人羽織みたいにしてしまうと、一番の目的である強さとかっこよさが失われてしまいます。
 ゲームでは、合体ロボットを面白くすることは難しいのです。

 「サイドアーム」では、移動と攻撃は合体した方のプレイヤーが操作。合体されてしまった方のプレイヤーに可能な操作は、ボタン一個で全方位に弾を撃つことだけです。
 合体中は2発まで敵弾に耐えられるため、メインプレイヤーが2回ミスをするまでそれしかできないのです。
 さらに合体され中はこのゲームで必須の武器アイテムも取れないので、うかつに合体ばかりしていると友達をなくすこと必至です。(経験者)

 「パワードギア」ではこの教訓を生かし、合体したプレイヤー全員のレバー入力を合成して、合体ロボの移動が行なわれます。
 民主主義的で素晴らしい解決策のように思えますが、実際はこれコックリさん操作なわけで、だれの思い通りにも動かないロボットになってしまいました。
 まあこの合体ロボは移動の必要がないほどでかく、合体が時間制の無敵モードのような扱いだったために、ゲームにならないなりにワイワイ楽しめたわけですが。

それらをふまえた合体ロボが、ガチャフォースの4大サイバーマシンであります。
 やはり合体時間に制限をもうけ(=バースト持続時間)、そのかわりに合体中は攻撃も防御もタガのはずれた性能を実現。
 操作の分担は、上半身となるロボットのプレイヤーがメインパイロットとして、アナログスティックでロボの移動、Bボタン・Xボタンで射撃&格闘。


上半身となるマーズ側が射撃!

格闘もマーズ側だ!

 下半身ロボのプレイヤーはサブパイロットとして、Bボタンでサブ射撃、Xボタンでバリアを発生させ、アナログスティックでバリアを操作することができます。(ちょっと苦しい…)


下半身のアトラスはサブ射撃とバリアだ

 二人同時にXチャージ攻撃を発動すれば、ゲーム中最強攻撃ギガサイバーバスターを発射!!
 直撃させれば戦艦だろうがなんだろうが一撃で蒸発するぞ!!


 合体には2体のボーグが必要なわけですが、いっしょにガチャフォースを遊んでくれる友達が近くにいない場合でも、ストーリーモードの「ほにゃらら」(※8)ならバッチリ。
 合体可能ボーグをフォースに入れているキャラがいますので、皆様もぜひ一度合体の素敵さを味わってみてくださいね。
 (CPUと合体すると、プレイヤーが常にメインパイロット操作になりますよ)

少々書き足りない気もしますが、今回はここまでとします。
 来週の更新をお楽しみに。それでは!

(文/企画マン)

※1:乗り物同士が合体してロボットになる・・・・
永井豪・石川賢原作のTVアニメ「ゲッターロボ」(1974)の生み出したパターンで、全ての合体ロボの起源と言えます。人知を超えた無茶な合体ギミックで有名。 合体を毎回の決めシーンとして演出することを始めたのは「超電磁ロボ  コン・バトラーV」(1976)から(玩具主導で、合体が玩具の売りであったことによるのでしょう)。 ちなみにロボットアニメの祖永井豪原作の「マジンガーZ」の放映は1972。特撮番組で巨大ロボットが登場するのは「スーパーロボット レッドバロン」の1973。 (なんとマジンガーZの翌年)マシン同士合体のロボットは「小さなスーパーマン ガンバロン」(1977)からと思われます。
※2:部品同士が合体してロボットになる・・・・
永井豪原作のTVアニメ「鋼鉄ジーグ」(1975)が最初かと。ちなみに「機動戦士ガンダム」(1979)はこのカテゴリだ!
※3:ロボットと乗り物が合体してロボットになる・・・・
TVアニメ「無敵超人ザンボット3」(1977)が最初かと。「未来ロボ ダルタニアス」なんかは1979でガンダムと同年!
※4:ロボット同士が合体してロボットになる・・・・
TVアニメ「UFO戦士ダイアポロン」(1976)が、不完全ながらそのはしりか…(3体合体なのだがパーツあまりまくり)。 「宇宙大帝ゴッドシグマ」(1980)もウイング部など追加パーツが必要で、まともな完全合体は「最強ロボ ダイオージャ」(1981)からになります。 特撮番組では「超獣戦隊ライブマン」(1988)での初期主役ロボと新主役ロボの合体からではないかと。 これはアニメの「戦闘メカ ザブングル」(1982)に始まる2体目の主役ロボの玩具を売る商法の完成形であり(なにしろ2体とも買わないと真の主役ロボが完成しないのですから)、日本経済のバブル期の訪れと共に、この主役ロボ2体合体のパターンは特撮でもアニメでも主流となります。
※5:「サイドアーム」・・・・
豆知識:じつはサイドアームのデザイナーはあきまん氏だ。ポスターはむちゃくちゃかっこいいぞ。
※6:ベルトフロアアクション・・・・
いわゆる「ファイナルファイト」タイプのゲームです。
※7:3体のロボットが合体して大型ロボットに・・・・
実は合体ロボットの胴体部分は画面外から運ばれてきて、プレイヤーたちのロボットはその腕や武器などのパーツになるという合体方式なので、いまいち美しくない気がしますね。
※8:ほにゃらら・・・・
いちおう伏字にしておきます。なんだかおわかりにならない方はストーリーモードを2周してみてね!


クリックすると大きなサイズが楽しめます
合体ロボ
● クリックすると大きな絵が表示されます。
● 戻るときはブラウザの戻るボタンで戻ってください。

 合体ロボ、、、いったい誰がこんな物を考えたのでしょうか?極めて非科学的な上、考えるのも作るのも面倒このうえありません。 あがってきたキャラを「すごい!ちゃんと合体するやん」といって喜ぶだけの人(企画マン)は楽しいかもしれません。でもデザインする側は大変です。

ちゃんと変形ギミックを考えた上、モデルでもなるべく誤魔化しが無いよう作らねばなりません。おまけにアニメや模型と違ってパーツの数やポリゴンの制限がけっこうきついのです。
 だいたい合体すると強くなるなどというのは有り得ません。永久機関なみの妄想です。

1+1は2未満になるのが自然の摂理です。時速500キロ出る飛行機を2機合体させても1000キロ出るはずがないのです。やれやれです。
 最後にマシンレッドとサイバーマーズはもっと差を付ければ良かったと反省しているデザイナーでした。

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全員集合
ご好評いただきました「キャラクターデザイナー編」は、
3月22日公開分にて終了? いたしました。

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