第20回 「ストーリー&キャラ(その5)」  

どうもこんにちは。
 本コーナーもついに20回ですか。感慨深いものがありますね。
 いつまで続くのか謎ですが、今後も変わらぬご愛顧とご声援をたまわりますようお願い申し上げます。
 まあ堅苦しい言いまわしはさておき、今回はストーリー&キャラの続きです。


オロチ
オロチ
 「クールちゃん」です。
 お話的には悪の幹部で、ネコベー敗退後のお話を引っ張る大事な役回りです。
 ゲーム的には、種族に関係なく外見が悪役っぽいボーグを見境なく使います。
 特定のパートナーボーグはいません。前半戦の締めとしてダークナイトが倒され、新幹部デスウイングに交代という流れになっています。

 色気づく前の男の子にとっては婦女子キャラは圧倒的に価値の低いものなので、男の子向けの正しいバトルアクションゲームとしてはうさぎとマナの2人もいれば多すぎるくらいだと、当初は考えていたわけですが。
 開発が進んで、偏った男女比にだんだん後ろめたさを感じはじめたころ、日暮氏がもうひとり女の子を描けそうだと言ってくれたので、敵方女の子キャラをデザインしてもらいました。
 日暮氏も書いている通り、この段階のデザインがあの目つきのきついミナで、この時はショウと組ませようと思っていました。
 しかしミナのデザインは、マナのお姉ちゃんという記号がメインで敵という記号が少なかったこともあり、最終的にデスフォース側の明確な敵役として別デザインが起こされ、今のオロチになったというわけです。
 ショウの相方はもとの予定通り(!)ユージということに。

 スタジオ雲雀さんにお願いするエンディングムービーの構成を書いていた時に気がついたのですが、ストーリーの構造的には、なにげにオロチが一番ヒロインの位置にいたりします。(悪い竜を退治して囚われのお姫様を助け出す話)
ミナ
 ちなみに2周目以降のあの展開は、開発期間の最後の最後でちょっと余裕ができたので突っ込んだものです。予備のボイスを収録しておいたのが役に立ちました。


タマ
 「金持ち君」。
 ゲーム的には、高コストのフォートレスボーグ使いで、カケルと対をなす量より質のキャラです。
 ストーリー的には、中盤でオロチとともに現れて事態の進行(悪化)を示す役割です。「とうとう戦艦まで持ち出してきたか!」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。
 オロチと違って自分の意思でデスフォースについているとんでもない奴なのですが、その後なんの反省もなく味方になるあたり、このゲームのストーリーまわし(というかまわさないですます方法)の真骨頂というかんじですね。



デスブレン
 悪の親玉です。
 最終ボスには、親玉らしさの表現&ゲーム的な弱点の表現として脳がついていなければいけないような気がしたので、ああいうデザインになっています。
 設定としてはあの生体脳からGFエナジーを発生させて戦いを起こしています。デスブレンの正体が脳そのものなのかもしれません。

 この手の勧善懲悪ストーリーにおける悪の親玉のセリフなんて、全部「ワッハッハ」に置き換えても何の問題もなく成立する程度のものなので、セリフを書くのがとても楽でした。

 賢明な皆様はお気づきでしょうが、デスブレンは基本的にコウたち人間を相手にせずGレッドとのみ会話しています。人間を道具として扱うか相棒として共闘するかが勝敗を分けるという話なわけです。アニメやマンガじゃないのでさらっと流していますけど。

 ちなみにこのゲームのストーリーはボーイ・ミーツ・ア・ヒーローとでも言うべき児童向けストーリーの王道パターンのひとつであります。
 その起源は傑作ジュブナイルSFの「星から来た探偵」(※1)ではないかと思っているのですが、実際のとこどうなんでしょう?
 また、宇宙から来た機械生命体という設定(※2)はSF小説の「バーサーカー」シリーズが起源ではないかと。
 余談ですが、開発中のある時期、マップ画面でデスブレンがしゃべる時に仮の絵として、「デスブレン」と大書されたマナが表示されていたので、「デスブレンの正体はマナ」「マナがねこねこ団の黒幕」という説がチーム内に蔓延して困りました。


やはり長くなってしまいましたが、なんとかキャラの話も終わりましたし、今回はこれで終わりとしたいと思います。
 また来週お会いしましょうね。それでは!

(文/企画マン)

※1:「星から来た探偵」・・・・
ハル・クレメントのSF小説「二十億の針」の子供向け版。宇宙から犯罪者「ホシ」を追って地球にやって来た寄生生命体「デカ」と、偶然その宿主となった少年が、協力してホシを探す話。1950年作だからTV特撮「ウルトラマン」(1966)や玩具の「ミクロマン」シリーズ(1974〜)よりも前ですね。
※2:宇宙から来た機械生命体という設定・・・・
SF小説ではフレッド・セイバーヘーゲンの「バーサーカー」シリーズ(1963〜)の他、グレゴリイ・ベンフォードの「大いなる天上の河」のシリーズ(「銀河中心」というらしい。1979〜)、ジェイムス・P・ホーガンの「創造主の掟」(1983)など。TV特撮では「宇宙空母ギャラクチカ」(1978年)など。玩具・アニメでは「ミクロマン」「トランスフォーマー」シリーズ(1984〜)など。


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ガールボーグ
ガールボーグ第二弾です。
女性型ボーグはもともとたくさん作る気はなかったのですが、気がついたら結構な数になっちゃいました。 萌えキャラになりすぎないよう作ってみましたが、使い勝手がよいからか愛好者が多いようで嬉しいようなそうでないような、、、。 サイバーガールなんかはレトロっぽい変な顔 になってます。だって女性型ロボって微妙に 変な顔ってのが相場じゃないですか!
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全員集合
ご好評いただきました「キャラクターデザイナー編」は、
3月22日公開分にて終了? いたしました。

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