債券市場にも危険シグナルが点灯している。韓国の5年満期外国為替平衡基金債券のデフォルトリスクを示すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は21日、77・3bp(ベーシスポイント)まで上昇、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長(当時)が量的緩和縮小に言及して世界の金融市場が動揺した「バーナンキ・ショック」があった13年5月末以来、2年3カ月ぶりの危険水域だ。
韓国の国債にも懸念が強まっている。9月に満期が到来する5年物と10年物の国債の約13兆5000億ウォン(約1兆3800億円)のうち、外国人の保有額は1兆6000億ウォン(約1633億円)にのぼる。外国人投資家の韓国からの離脱が止まらない中で、外国人の資金が再投資されるのかが韓国内で不安視されているのだ。
株、為替、債券ともに今年最悪の水準で、「トリプル安」に見舞われている。1997年のアジア通貨危機で韓国は、株安と通貨安、国債の格下げを受けて経済危機となり、国際通貨基金(IMF)の援助を受けるはめになった。リーマン・ショックのあった2008年にも同様の危機を迎えたことがある。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「通貨危機は、資金が海外へ流出する結果として起こる。それを抑えようとして国内金利の引き上げを強行すれば金融危機が発生し、韓国経済は奈落の底へ突き落とされる」と警告している。