輸出の不振や内需の低迷、そして中東呼吸器症候群(MERS)の影響などで韓国経済は低迷し、外国人投資家の韓国株売り越しが続いているが、ここにきて国内の個人投資家も売り浴びせを始めた。
韓国の投資家の不安心理を示す「恐怖指数」の一種で、株価が下落すると上昇するKOSPI200変動指数(VKOSPI)は今年の最高水準となった。
為替市場でも異変が生じている。ウォンが売り込まれているのだ。対ドルでは、昨年7月には1ドル=1000ウォン近辺までウォン高ドル安が進んでいたのが、一転して1ドル=1200ウォン近辺までウォン安が加速した。
これまでウォン高が進み韓国の輸出産業の業績を悪化させていただけに、ウォン安に進むのは良いことのようにも思えるが、資金の海外流出を伴う急速なウォン安は、1997年のアジア通貨危機の悪夢を蘇らせる。
米モルガン・スタンレーは、中国向け輸出の割合が大きく、人民元切り下げによってリスクにさらされている10カ国の通貨をピックアップし、米経済メディアのブルームバーグは「トラブルド・テン(不安な10の通貨)」と名付けた。韓国ウォンのほか、ブラジルのレアルやペルーのソル、南アフリカ共和国のランド、タイのバーツ、シンガポール・ドル、台湾ドル、チリ・ペソ、コロンビア・ペソ、ロシアのルーブルが名を連ねる。