【将棋】里見女流名人が10月から三段リーグ参加へ

2015年8月25日14時0分  スポーツ報知
  • 里見香奈女流名人

 日本将棋連盟は25日、里見香奈女流名人(23)=女流王位=が10月から始まる棋士養成機関「奨励会」三段リーグに参加すると発表した。体調不良のため、2014年から同リーグを3期休場していた里見だが、女性として初の棋士(四段)を目指す戦いをいよいよスタートさせることになった。

 今も体調は万全でないため、リーグ参加について熟慮を続けていた里見だが、今月中旬に連盟理事会に参加の意思を伝えた。スポーツ報知に対して「戦わなくては後悔してしまうと思い、決めました。正直、今の私の力では四段になるのは奇跡のようなことだと思いますが、夢ではなく目標として、なるために頑張りたいと思っています」と話した。

 将棋のプロは、性別を問わない「棋士」と女性のみの「女流棋士」とで制度が異なり、過去に女性が奨励会を突破して棋士となった例はない。

 里見は女流棋戦と並行して11年に1級で奨励会に入会。13年12月に三段昇段を果たしたが、体調不良のため14年3月から同年12月まで女流棋戦を休場。参加予定だった三段リーグも3期にわたって休場していた。

 三段リーグは棋士になるための最終関門。三十数人が半年間にわたって18局を戦い、四段になることができるのは原則上位2人のみ。さらに26歳までに四段になれなければ退会という年齢制限も定められている(勝ち越しを継続すれば、30歳までは在籍できる規定もある)。今年10月時点で23歳7か月の里見に残されたチャンスは、あと5回のリーグだけだ。

 里見は今年1月に女流棋戦に復帰。報知新聞社主催の女流名人戦で6連覇を達成した後、5月には女流王位も奪還した。復帰後は一度も負けることなく歴代最多記録となる21連勝を継続中。女流ではケタ違いの強さを見せているが、三段リーグとの両立はかかる負担も大きい。里見は「体調が持つかどうかわからないですし、ちゃんと両立できるか不安はありますけど、リスクに打ち克っていきたいと思います」と話している。

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