先週末の米国株が暴落し、24日の東京市場も大幅続落して始まるなど「中国危機」を発端とした世界株安が続くなか、中国依存度が高い韓国市場から資金流出が加速している。北朝鮮の砲撃など地政学的リスクも浮上し、海外の投資家は“脱韓”に走っているのだ。株安に加え、人民元切り下げの悪影響を受ける「不安な通貨」であるウォンも売り込まれ、債券デフォルト(債務不履行)リスクも急上昇。「トリプル安」懸念は、通貨危機の悪夢を蘇らせる。
「コリア・ディスカウント(低評価される韓国)」という言葉が韓国メディアで相次いで報じられた。北朝鮮軍が南北軍事境界線近くで韓国側に砲撃を加え、韓国軍も応射。北朝鮮の金正恩第1書記は「準戦時状態」を宣言するなど朝鮮半島の軍事的緊張が高まり、市場では地政学的リスクが強く意識されている。
下落基調が続いていた韓国市場にとっては泣きっ面に蜂だ。上海株が大幅続落した21日、韓国総合株価指数(KOSPI)は2013年8月以来、約2年ぶりの安値水準となる1876まで下落した。サムスン電子やSKハイニックスなど主力銘柄に売りが殺到。新興市場のコスダックは一時6%を超す暴落に見舞われる場面もあった。
中国経済への依存度が極めて大きい韓国は、中国の変調がモロに影響する。英研究機関のオックスフォード・エコノミクスは、「人民元の切り下げによって韓国の成長率は大きな打撃を受ける」と指摘している。