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上海出航の豪華客船、台風の影響で航路を日本から韓国に・・乗客から不満噴出、全額返金求める声―中国メディア

FOCUS-ASIA.COM 8月24日(月)11時32分配信

新民網は23日、同日上海を出発する客船クァンタム・オブ・ザ・シーズ号が台風15号の影響によって目的地を当初の日本から韓国へと変更することを発表し、乗客の多くから不満の声が出ているとの情報がネット上に流れたと報じた。

同号を所有するロイヤル・カリビアン・インターナショナルによると、同号は23日に上海を出発して広島、東京、神戸にそれぞれ停泊する8泊9日の日本周遊クルーズを行う予定だった。しかし、台風15号が同号の23日の航路や停泊港に大きな影響を与えるリスクがあり、安全上の理由から航路を大幅に変更し、停泊地を韓国の仁川と釜山とすることを決定したという。

この情報に対して、ネットユーザーからは今回の航路変更が突然発表され、交渉の余地もないことから「一方的過ぎる」との批判が多く出ている。同号に乗る予定だった江蘇省蘇州市のネットユーザーは「家族全員が半年以上前から楽しみにしていて、出発前にはがんばって残業したり、日本円への両替を済ませたり、娘は時間をかけて旅行プランを立てたりしていたのに、全部水の泡になるというのか」と不満をこぼした。

同号に乗船して日本旅行をする予定だった乗客の多くがネット上でグループを作り、船会社に対して代金の全額返還を要求。船会社が出した賠償プランに対しては、金額が少ないとの強い不満を示している。これに対してロイヤル・カリビアン・インターナショナルの広報担当者は「航路の変更は船長が決定する」としたうえで、「フェリー業界の慣例上、航路を変更した場合、燃油費、飲食代、エンターテインメント料金など、すでに発生した費用の補償は行わない。乗船を希望しないのであれば、入港税分を返還することしかできない」と説明している。また、同社が今回の台風において唯一賠償プランを提示した船会社であることを併せて強調した。

この件について、観光業界関係者からは「船会社が航路変更前に旅行会社や乗客とのコミュニケーションを取らず、乗客の感情に配慮しなかった。また、不可抗力が理由ということで、賠償プランが乗客側に立ったものになっておらず、社会的責任感がまるでない」との指摘が出ている。また、上海市にある弁護士事務所の弁護士は「違約行為であり、全額返金に応じなければならない」との見解を示した。

(編集翻訳 城山俊樹)

最終更新:8月24日(月)11時32分

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