長崎原爆の日:シールズの学生「平和のバトンつなぐ」

毎日新聞 2015年08月09日 20時58分(最終更新 08月09日 22時39分)

高校生平和大使のOBとして早朝若者集会に参加したSEALDsの林田光弘さん=長崎市の爆心地公園で2015年8月9日午前6時54分、徳野仁子撮影
高校生平和大使のOBとして早朝若者集会に参加したSEALDsの林田光弘さん=長崎市の爆心地公園で2015年8月9日午前6時54分、徳野仁子撮影

 長崎市松山町の爆心地公園で9日朝、原爆犠牲者を悼む若者集会があり、大学生や高校生ら約120人が参加した。安全保障関連法案に反対し国会前などで抗議行動をしている学生団体「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs=シールズ)」の中心メンバー、明治学院大4年、林田光弘さん(23)の姿もあった。林田さんは長崎市出身の被爆3世で「核兵器の非人道性や平和の大切さを被爆者から直接伝え聞いたからこそ、今政府が進めようとしている政策に反対したい」と話した。

 林田さんは祖父武男さん(2010年に死去)が被爆した。武男さんが生前、涙を目にためながら「頬が溶けてしまった人がおにぎりをもらおうと必死で並んでいた」「遺体が累々と横たわっていた」と語る様子が記憶に残っている。

 林田さんは09年、国連欧州本部に署名を届けるなどして核廃絶を訴える「高校生平和大使」のメンバーにもなった。大学に入学して長崎を離れた後も、毎年8月9日は若者集会に参加している。

 林田さんは「被爆者から託された平和のバトンを僕は今もしっかりと握っている。それを次世代に託すまで、自ら行動して平和を守っていきたい」と語った。【梅田啓祐】

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