長崎原爆の日:高校生ら「人間の鎖」祖父の体験伝えていく

毎日新聞 2015年08月09日 22時52分(最終更新 08月09日 23時38分)

若者早朝集会であいさつする内野璃奈さん=長崎市の爆心地公園で2015年8月9日午前6時51分、徳野仁子撮影
若者早朝集会であいさつする内野璃奈さん=長崎市の爆心地公園で2015年8月9日午前6時51分、徳野仁子撮影
人間の鎖で原爆落下中心地碑を囲む高校生たち=長崎市の爆心地公園で2015年8月9日午前6時49分、徳野仁子撮影
人間の鎖で原爆落下中心地碑を囲む高校生たち=長崎市の爆心地公園で2015年8月9日午前6時49分、徳野仁子撮影

 長崎市松山町の爆心地公園で9日朝、原爆犠牲者を悼む若者集会があり、大学生や高校生ら約120人が参加した。高校生平和大使で被爆3世の長崎県立長崎東高2年、内野璃奈(りな)さん(17)も参加。全国から集まった高校生らと手をつないで原爆落下中心地碑を囲む「人間の鎖」を作り、核兵器廃絶に向け決意を新たにした。

 中学3年の沖縄への修学旅行で平和への関心が強まり、昨年10月、初めて父方の祖父直一(なおいち)さん(82)から被爆体験を聞いた。直一さんは爆心地から約4キロの英彦山(ひこさん)山頂で被爆。学徒動員で、飛行機の監視業務をしていた。けがはなかったが、何人もの友人を失った。「絶対に戦争はいけない」。物静かな祖父の口調が強まった。「私が伝えていかなくては」と感じ、平和大使に応募した。

 内野さんは集会後「70年前のきょう、おじいちゃんが生き延びてくれたから今の私がいる。私も平和のバトンを次世代につないでいきたい」と誓った。【大平明日香】

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