河野
「この1年、なんの進展もなく過ぎようとしています。」
鈴木
「北朝鮮が拉致被害者たちの調査を始めてから明日(4日)で1年。
北朝鮮は、調査結果の報告を延期すると日本政府に連絡してきました。」
河野
「この1年、なんの進展もなく過ぎようとしています。」
鈴木
「北朝鮮が拉致被害者たちの調査を始めてから明日(4日)で1年。
北朝鮮は、調査結果の報告を延期すると日本政府に連絡してきました。」
安倍首相
「先方より『すべての日本人に関する包括的調査を誠実に行ってきているが、いましばらく時間がかかる』旨の連絡があった。
政府としては遺憾ではあるが、北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すべく働きかけを強化することとし、岸田外相と山谷拉致問題相にこの旨を指示した。」
岸田外相
「北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すべく働きかけを強化することとし、結果も見極めつつ、日本政府としての今後の対応を判断していく。」
山谷拉致問題相
「一日も早く具体的な動き、救出に、結果につながる動きを引き出すべく、日本政府としては(北朝鮮の)対応を見極めつつ不断の検討をしていく。」
北朝鮮が拉致被害者などを調査する「特別調査委員会」を設置したのは、去年(2014年)の7月4日でした。
調査期間について北朝鮮側は「1年程度を目標にする」としていました。
日本側は一部の制裁措置を解除。
拉致被害者の帰国が最優先とする立場を重ねて伝え、速やかに調査結果を報告するよう求めてきました。
調査開始から明日で1年。
北朝鮮からの連絡は、「報告の延期」でした。
北朝鮮にいったいどのような意図があるのか。
専門家は…。
関西学院大学 平岩俊司教授
「北朝鮮からすると、日本が本当に北朝鮮との関係を改善し、国交正常化の後の経済協力をしてくれるか見極めたいのだと思う。
拉致問題を優先的に解決し、日本側が国交正常化に熱心でなくなる危険性おそれているのだろう。」
一方の北朝鮮。
キム・ジョンウン(金正恩)第1書記が就任して3年あまり経った今、どう出ようとしているのか。
国内では、おじで後見人とされたチャン・ソンテク氏を粛清したのに続き…。
今年(2015年)5月には、ヒョン・ヨンチョル人民武力相が処刑されたという情報も流れ、韓国の国家情報院は「キム第1書記が幹部に対する不信感を強め、恐怖政治をおし進めている」としています。
専門家は、今のところ体制が動揺して外交に影響するような状況にはないとした上で、交渉を続ける姿勢には変わりがないとしています。
関西学院大学 平岩俊司教授
「日本からの経済協力得たいのは間違いない。
今の段階で北朝鮮は日朝のパイプを中断するつもりはなさそうなので、日本側からすれば、日朝交渉を維持しながら北朝鮮に変化を求めていくことにならざるをえない。」
河野
「拉致被害者と家族にとって、残された時間は決して長くはありません。」
鈴木
「帰りを待つ家族、そして被害者たち自身も年を重ねているからです。」
田中
「政府が認定している拉致被害者のうち、安否がわかっていない12人の方々です。
平均年齢はすでに65歳を超えています。
横田めぐみさん、現在は50歳です。
田口八重子(たぐち・やえこ)さんは、現在59歳。
共に行方が分からなくなった市川修一(いちかわ・しゅういち)さんと増元(ますもと)るみ子さん。
現在、市川さんは60歳、増元さんは61歳です。
久米裕(くめ・ゆたか)さんは、90歳になります。
松本京子(まつもと・きょうこ)さんは、現在66歳です。
曽我(そが)ひとみさんの母、ミヨシさんは現在は83歳。
有本恵子(ありもと・けいこ)さんは、現在55歳です。
同じ年、スペインで行方不明になった2人です。
石岡亨(いしおか・とおる)さんは58歳に、松木薫(まつき・かおる)さんは62歳になります。
原敕晁(はら・ただあき)さん、現在は78歳。
田中実(たなか・みのる)さんは65歳になります。
我が子や兄弟の帰りを待ち続けてきた家族。
北朝鮮が拉致を認めて以降、被害者の親、5人が亡くなりました。
残された家族が何よりも求めているのは、肉親の帰国です。」
拉致被害者の家族会代表 田口八重子さんの兄 飯塚繁雄さん
「がまんにがまんを重ねながらずっと待っていたけれども、また遅れるということについては、政府が本当にやる気があるのか、それに尽きる。
被害者はもう帰って来ないのでは、そういう心配すらする。
いついつまでに被害者を全員帰しなさいという、はっきりとした総理を中心とした態度を示してもらいたい。」
松本京子さんの兄 孟さん
「なるべく早く、(亡くなった)母親に妹の元気な姿を見せてやりたいとずっとやってきたものが、また今回もだめだったのかなと。
残念至極というか、それ以外の言葉は思いつかない。
妹も結構年を取ってきているので一日も早く解決してほしい。」
松木薫さんの姉 斉藤文代さん
「私自身、体を壊していて、薫と会えるのかなと常日頃、最近考えるようになってしまった。
家族会の方もお年を召してきているし私自身もそうだから、再会できる家族は何人いるのか、そこまで考える時がある。
私が望んでいるのは調査の報告より家族を帰してくださいと。」
鈴木
「今回、北朝鮮による調査の対象となっているのは、拉致に関しては、政府認定の拉致被害者12人のほかに、民間団体が独自に調べているいわゆる『特定失踪者』およそ470人と特定失踪者を含め、全国の警察が捜査・調査している行方不明者878人も含まれています。」