北朝鮮が標準時を変更、30分遅い「平壌時間」導入へ
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AUGUST 08, 2015 07:21.
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北朝鮮が7日、光復(解放)70年を迎え、15日から標準時を今より30分遅くし、「平壌(ピョンヤン)時間」と命名すると発表した。北朝鮮の労働新聞は1面で、「日本の帝国主義者が我が国の標準時間まで奪った」とし、「祖国解放(光復))70年、日帝崩壊70年を迎え、最高人民会議常任委員会の政令で、東経127.5度を基準とする時間を標準時間に定める」と報じた。このため、北朝鮮の時間が韓国よりも30分遅くなる。韓国の時間で午後4時なら、北朝鮮時間で午後3時30分になる。
北朝鮮の標準時の変更をめぐって専門家たちは、政権4年目を迎えた金正恩(キム・ジョンウン)政権の複雑な政治的計算があると見ている。金正日(キム・ジョンイル)総書記が主体年号を作ったように、金正恩第1書記も「平壌時間」を新たに作り、政権の正統性と主体性を住民に誇示する意図がうかがえる。
インドと紛争していたネパールが、インドの属国でないとして1956年にインドよりも15分早い標準時を調整したことを想起させる。北朝鮮が、光復70年に合わせて韓国より先に日帝残滓の清算に乗り出したことを宣伝する効果を狙ったようだ。
現在、韓国の標準時は日本の中心を通る東経135度を基準とする。1908年に大韓帝国は初めて標準時を導入し、韓半島の中心を通る東経127.5度を基準とした。今より30分遅かった。強制併合後の1912年から日本標準時が導入された。1954年に日帝清算として標準時を30分遅らせたが、1961年に朴正熙(パク・チョンヒ)政府が再び日本基準に戻した。日韓で時間が異なると、両国に駐留する米軍の作戦に支障が生じ得ると米国が要求したためだった。
政府は1993年に標準時の調整を検討したが、現行維持で結論を出した。
統一部の鄭俊熙(チョン・ジュンヒ)報道官は、北朝鮮の標準時変更について、「開城(ケソン)工業団地の出入りなど南北交流に支障が生じ、長期的には南北統合、同質性回復などに支障を出るだろう。金融、航空(管制)など様々なケースでコストが発生し、機会費用の面で損害が発生する可能性がある」と指摘した。