〇概要
漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』において近年、看板となるようなキャッチーな作品が出ていない。
というか、中堅どころの作品もどことなく玄人好みで地味である。(これはこれで江戸紫は、いいと思っているのだが)
週間少年ジャンプがどういった雑誌であるかを、確認しておいてからそれらについて述べる。
〇週刊少年ジャンプの特徴
・生え抜き路線
他の雑誌、それも他社で活躍した作家をとることは珍しい事ではない
週刊少年マガジンは、『CLAMP』『久米田康治』『大暮維人』『鈴木央』
週刊少年サンデーで『荒川弘』『大高忍』
一方週刊少年ジャンプでは他紙で連載した漫画家の作品を掲載するが事がない。
『桐山光侍』(忍空)や『天野明』(リボーン)が、それぞれ他紙での連載経験を持つが、他紙では成功していなかった。
西尾維新と成田良悟はあくまで原作で、漫画は生え抜きの作家が担当していた。
『佐伯俊』はあくまでニッチな世界で成功していただけだった。
・企画モノをあまりやらない
マガジンでは『AKB』『ファイブレイン』『ドラゴンコレクション』
サンデーでは『パトレイバー』『妖逆門』『DIVE』『ダレン・シャン』『魔王』『ポケットモンスター』『デュエルマスターズ』『戦国コレクション』『ささみさん@がんばらない』
等、タイアップありきの企画モノをよくやっていたが、週刊少年ジャンプは、タイアップものがほとんどない。(ブルードラゴンくらいか)
他誌と比べると、比較的自由に書ける為か、新人が集まるのかもしれない。
ちなみにジャンプSQがその前身である月間少年ジャンプの頃からタイアップものが多い。
・アンケート至上主義
どの漫画を打ち切るのかは基本的にアンケートの結果で決まる。
売れなければベテランの作品でも容赦なく打ち切る。
特にアンケートの結果が悪い場合は十週で打ち切る。
『車田正美』『ゆでたまご』『高橋陽一』等がヒット作後の作品を容赦なく打ち切られていた。
・一番売れている雑誌
週刊少年ジャンプは一番売れている漫画雑誌である。
少子化や雑誌不況の中、かなり健闘している。
部数を維持する為に、かつてと比べるとある程度幅広い層をターゲットにしなければならなくなった。
まずメインのターゲットである小学校高学年~高校生男子あたりにウケるのはもちろん、大人や女性が読めるものが求められている。
『トリコ』は若年層には人気があったが、女性人気が絶望的だった為、コミックスの売れ行きはよくなかった。
『松井優征』の『魔人探偵脳噛ネウロ』は高年齢層にウケたものの、若年層にうけなかった為か、あまりコミックスの売り上げはよくなかった。
その後、松井は『暗殺教室』を連載するが、高年齢層だけでなく若年層もマークした作品だった。
〇年々高くなるハードル
過去作品よりもレベルの高いものを作らないといけないし、カバーしないといけない層は以前より広くなっている。
最近のヒット作を出した『古舘春一』(ハイキュー)『古味直志』(ニセコイ)『附田祐斗』(ソーマ)は連載一作目ではヒットできなかった。
目の肥えた読者を満足させつつ、広い層に受けるようなキャッチーな作品を作るのはとても難しい。
『ワールドトリガー』『ヒーローアカデミア』『火ノ丸相撲』は目の肥えた読者を満足させる事はできているけど、いまいち広く普及するようなキャッチーさがない。(江戸紫はこれら
の作品好きだけど)
看板クラスの作品を作るのを若手作家に期待するのは厳しいと思うんだけど、
求めらる作画レベルが上がってる中、高いレベルの作画を年をとったベテランが週刊連載するのは難しい。
う~~ん、厳しい。