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セイコーマート 物流網の活用で小商圏にも出店可能に
北海道のコンビニ最大手セイコーマート(札幌市中央区)の丸谷智保社長はこのほど、同市内で開かれた「中小企業経営セミナー」で経営戦略について語り、自社のサプライチェーンマネジメントと物流網の強みについて説明した。
同社は現在、全道で1000を超える店舗を展開しており、年間9万個に及ぶ商品を販売。サービス産業生産性協議会が実施する「顧客満足度指数調査」コンビニエンスストア部門で4年連続1位を獲得するなど、消費者から高い評価を得ている。
グループ内に農業生産法人や食品メーカーなどを多数抱えており、原材料の生産・買い付けから一次処理、加工、盛りつけ・パッキング、ピッキング・仕分け、配送、販売促進まで一貫して手掛けることで、中間流通を出来るだけ省き、北海道に特化したサプライチェーンモデルを築いている。商品の配送には約180台のトラックを使用し、1日のトラックの総走行距離は地球一周にも及ぶ約4万キロに達しているという。
丸谷社長は「小売業や製造業を語るうえで、物流は忘れられがちな側面があるが、製造した商品を、誰が消費地に運ぶのか、採れた原材料を、どのように工場まで運ぶのか、北海道の優れた一次産品を、どうやって市場まで運ぶのかといったことは、とても重要な要素」と話し、1997年から多額の投資を行って、全道に物流網を整備してきたと説明。
札幌のほかに旭川、帯広、釧路、函館、稚内と道内5地域にデポを配置し、「全道をカバーする物流網を構築した結果として、全道各地にスムーズに店舗網が構築できるようになった。北海道は全国面積の22%を占めており、町から町への距離が長く、物流が非効率な地域なので、物流の効率化が非常に大事になる。これがないと地方への店舗展開が難しくなる」と話す。
昨年、人口1300人という小商圏の自治体に直営店を出店したが、「細かく張り巡らせた道内の物流ルートがなければ出店は難しかった。既存の物流ルートを活用すれば、この店舗には途中で10数分寄ればいいだけなので、物流コストの面から見て、大きな負担にはならなかった。人口が少ない集落に店舗を維持するのは重要なこと。地域の存続には、トラックの網だけではなく、積み込むセンターの効率化も含めた物流網の整備が重要になる。店舗がなくなれば、急速に人口が減少する」と話した。
◎関連リンク→ 株式会社セイコーマート
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