
香川県内に本社を移転した企業数の推移
2005年から14年までの10年間に香川県外から香川県内に本社を移転した企業は69社に上ったことが、帝国データバンク高松支店の調査で明らかになった。香川は関西圏に近く、自然災害が少ない上、内陸部を中心に工業用地が手に入りやすい。企業活動を行う上では好立地といえる。他県では高速道路網の整備によって企業の転入が急増した例もあり、県や市町の誘致施策次第ではさらなる転入増がもたらされる可能性もある。
県内への企業の転入は、2008年のリーマン・ショック前までは年間6〜11件で推移。リーマン・ショック後は同3〜5件の低水準が続いていたが、14年は13社と急増した。
転入の69社を売上高別にみると、1億円以上10億円未満が27社と4割に上り、次いで1億円未満が20社と中小企業の転入が目立った。10億円以上50億円未満は17社だった。
業種別にみると、製造が21社と約3割を占め、サービスが13社、卸売が11社、建設、小売が8社などと続いた。県別では愛媛からの移転が24社、次いで大阪17社、徳島7社などだった。
愛媛からの転入が最も多かった要因として、海側に工業団地が多い愛媛に比べ、香川は沿岸部だけでなく、内陸部にも用地が多いことが挙げられる。
グラビア印刷を手掛けるみすまる産業は、2012年に愛媛県四国中央市から観音寺市大野原町の縫製工場跡地に本社を移転した。内陸部に広い用地を探していたが、愛媛より香川の方が山側に用地が多いことが決め手になった。
リサイクル業のエビス紙料も10年に大阪市から観音寺市に移転。地元リサイクル業者と三豊市での新しいごみ処理施設の計画が立ち上がったことがきっかけとなった。
高速道路網の発達によって企業の転入が急増した県もある。岐阜県では近年、高速道路の整備が進んだが、それと連動するように、この10年間で264社が転入した。同県の担当者によると、県の工業団地整備は約10年間行われていなかったが、「過去に整備した団地が2、3年で一気に埋まった」と説明。今後、さらに団地を整備することも予定しているという。
同支店は「香川は大阪などの商圏に近く、自然災害も少なく、立地面では有利といえる。行政が誘致策で他県との差別化を図ったり、周辺の住環境を整えることによって転入を増やせる」としている。