広島原爆の日:「こども代表」小6の2人「平和への誓い」

毎日新聞 2015年08月06日 10時49分(最終更新 08月06日 10時59分)

平和への誓いを読み上げる桑原悠露君(左)と細川友花さん=広島市中区の平和記念公園で2015年8月6日午前8時27分、川平愛撮影
平和への誓いを読み上げる桑原悠露君(左)と細川友花さん=広島市中区の平和記念公園で2015年8月6日午前8時27分、川平愛撮影

 米国による原爆投下から70回目の「原爆の日」を迎えた6日、平和記念式典では「こども代表」として、広島市立白島(はくしま)小6年の桑原悠露(ゆうろ)君(12)と矢野南小6年の細川友花(ゆか)さん(11)の2人が「平和への誓い」を読み上げた。

 桑原君の祖母は2歳で被爆した。偏見を恐れた両親から、結婚相手の家族には被爆者であることを隠すよう言われ、桑原君の父親を産んでから被爆していたことを打ち明けたという。桑原君は「つらい思いをしてきた被爆者たちの思いを込めて、核兵器が世界からなくなるよう『誓い』を読み上げたい」と式典に臨んだ。

 細川さんは家族に被爆者はいないが、小学3年の時に「皆が読んでいるから」と故中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」を手にした。細川さんの通う矢野南小では、校舎の屋上で「ゲン」の物語を象徴する麦を育てている。麦の世話をすることで、細川さんは当時の人々の生きる喜びや、全てを奪った原爆の理不尽さを感じた。将来は小学校の先生になり、平和の大切さを伝えたいという。

 「平和への誓い」は、広島市の呼び掛けで市内の小学校6年が平和をテーマに作文を書き、優秀作の執筆者20人らが話し合って内容を決めた。1995年から続く取り組みで、今年は143校の1万800人が作文を提出。男女の児童1人ずつが式典で読み上げた。【石川裕士】

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