急速に進む投資家のリスクオフ
8月後半に入り、市場環境が急速に悪化している。わが国や米国をはじめ世界的に株価が下落する一方、米国の金利は低下(債券価格は上昇)し、円高も進んだ。また一時、原油価格は1バーレル当たり30ドル台後半にまで下落した。
この背景には、中国経済が予想を上回るペースで減速していることがある。中国経済の先行きの不透明感が高まったことで、多くの投資家がリスクの高い資産を減らす動き=リスクオフに走った。中国政府が景気刺激策を打ち出す可能性は高いものの、それが世界経済にどう影響するのか慎重に状況を見極める必要がある。
足許の市場環境の悪化は、急速に投資家のリスク許容度を低下させている。日米の株価は下げ止まらず、新興国の株価も軟調で資金流出の動きも進んでいる。為替相場ではドル高の巻き戻しが進んでいる。また、原油価格は21日の海外時間中に40ドルを下回る水準に下落した。
特にドル円は急速に円高方向に動いた。21日には一時、ドルが121円台後半にまで下落した。それが米国での利下げ観測の後退に影響されているという見方も多い。特に、FOMC議事要旨の中で、米国の物価見通しに対する慎重な見方が確認されことは、ドルの先高観を低下させている。
加えて、新興国の経済にも変調が表れつつある。ベトナムは通貨ドンを切り下げ、カザフスタンは変動相場制度に移行するなど、通貨安競争の影響が懸念される。そうした動きを包括的に考えると、原油安や米国の利上げ観測の後退、新興国への懸念などが複合的に影響しあい、懸念を高めているように思えてしまうのではないか。
重要なポイントは、リスクオフの最大の原因を明確にすることだ。市場参加者と話をしていると、中国経済の先行き不安に加えて原油価格の下落に対する懸念は根強い。それが米国での設備投資を下振れさせ、景気の下振れや物価低迷圧力になっているという読みがあるからだ。
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