「宿題代行します」「読書感想文どうぞこのままお持ちください」−。夏休みも残りあとわずか。近年では、インターネット上に宿題代行業者が堂々と看板を掲げるようになり、メディアに取り上げられるたび商売としての是非や、モラルをめぐって論争が巻き起こっている。「学年に合わせて使う漢字を制限する」「わざと回答を間違える」など、いかに“本人らしく”見えるか工夫を凝らす業者。教師たちは提出された膨大な量の宿題の中から代行されたものを見破ることができるのだろうか。(石井那納子)
横浜市港北区に事務所を構える「ジーニアスアシスト」は、幼稚園から大学、社会人までを対象に各科目の宿題や課題、リポートなどの代行を行う。宿題は一問からでも受け付け、小学生の算数や国語のドリルは1冊約6千円。作文や読書感想文などは1文字につき6円で、400字以内であれば約3千円と手頃な価格設定も代行を依頼する人が多い理由だ。
工作は数千円、ポスター(絵画)や自由研究も2万円程度で引き受けるといい、今年の夏休みも小中高校生から約100件の依頼があったという。
同社の中川魁崇社長によると複数の宿題を組み合わせて依頼されることが多く、「1件あたりの合計は1〜2万円。受験勉強や習い事に忙しい小学生か、大学生がメーンで利用している」と話す。
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